百葉箱(読み)ひゃくようそう(英語表記)instrument shelter

精選版 日本国語大辞典 「百葉箱」の意味・読み・例文・類語

ひゃくよう‐そう ヒャクエフサウ【百葉箱】

〘名〙 気温湿度などを測定するために、計器を入れておく木造の箱。周囲二重鎧戸(よろいど)で囲まれた白ペンキ塗りの箱で、計器の高さが地表から約一・五メートルになるように芝生を植えた地面の上に固定される。ひゃくようばこ。

ひゃくよう‐ばこ ヒャクエフ‥【百葉箱】

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デジタル大辞泉 「百葉箱」の意味・読み・例文・類語

ひゃくよう‐ばこ〔ヒヤクエフ‐〕【百葉箱】

気象観測用の小屋形木箱よろい戸で囲って通風をよくし、白く塗って日光を反射させる。地面から高さ1.5メートルの所に温度計湿度計などがくるように設置する。ひゃくようそう。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「百葉箱」の意味・わかりやすい解説

百葉箱
ひゃくようばこ
instrument shelter

気象観測機器を収納して風雨などから保護し,日射放射から遮蔽し,大気本来の気象特性を測定できるように工夫された箱。収納する測器はおもに,通風乾湿計最高温度計最低温度計,自記温度計や自記湿度計である。木製側面や窓は鎧戸にして全面を白いペンキで塗装してあり,外気は屋根以外の側面,底面から出入りできるようになっている。風通しがよく日陰にならない露場に,底が地上 1m程度,測器の感部が地上 1.5m程度になるように設置する。窓は,開いたときに内部に直射日光があたらないよう真北に向ける。気象庁は,明治時代にはスチーブンソン型百葉箱,大正時代から 1970年頃までは国産の中央気象台1号型(のちに気象庁1号型)を使用していた。1980年代には,通風に特に配慮した気象庁3号型が製作され,6号型までつくられた。測器の遠隔測定化などのため,気象庁は 1993年から百葉箱を使わなくなったが,学校や地方自治体等では利用されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「百葉箱」の意味・わかりやすい解説

百葉箱 (ひゃくようばこ)
instrument shelter

地面付近の気温や湿度を測定するための測器を風雨などから保護し,日射や放射から遮へいするために作られた小屋形の木箱。百葉箱は,四方の壁が二重のよろい戸で,北と南に面する部分に扉がある。屋根は二重で内側は二重のすのこ,床も二重のすのこで通風をよくするようになっている。すべての部分を白色ペンキで塗装してある。4本の脚部は木製で,地上の部分が約1mになるように地中に埋めて固定する。これは内部に入れた温度計や湿度計の感部が,国際的な規定によって地表面上約1.5mの高さにすることができるように調節したものである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「百葉箱」の意味・わかりやすい解説

百葉箱
ひゃくようばこ

屋外の気温を測るための温度計を入れておく箱。通風をよくするため四方をよろい戸にしてあるので、こうよばれる。また「百葉箱(ひゃくようそう)」ともいわれる。床と天井にすきまがあり、温度計の地面からの高さが1.5メートルくらいになるよう脚をつけて設置する。百葉箱の役割は、温度計を外気に当てるとともに、日光の直射や周囲の地物などからの放射が温度計に当たるのを防ぐことである。いろいろな形や大きさのものが使用される。気象台や測候所では、間口、奥行とも1メートルくらいある二重のよろい戸をつけた木製の百葉箱がよく用いられる。日射をよく反射するように白ペンキを塗り、自記温度計や湿度計なども入れることがある。扉は、開いたとき日光が直射しないように北側にするのが正式とされている。一般には、これより小さいものを使用することが多い。

[篠原武次]

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百科事典マイペディア 「百葉箱」の意味・わかりやすい解説

百葉箱【ひゃくようばこ】

〈ひゃくようそう〉とも。地上での気象観測のため露場に設置する通風のよい小屋形の木箱で,中に温度計,湿度計などを収めるもの。二重のよろい戸で四方を囲み,開閉戸は北面させ,外側は白ペンキで塗り,温度計をつるす位置はほぼ地上1.5m。日本の形式では容積1m角,床の地上高1m。
→関連項目乾湿計気温露場

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