硫テルル蒼鉛鉱(読み)りゅうテルルそうえんこう(その他表記)tetradymite

最新 地学事典 「硫テルル蒼鉛鉱」の解説

りゅうテルルそうえんこう
硫テルル蒼鉛鉱

tetradymite

化学組成Bi2Te2S,硫テルル蒼鉛系列鉱物。系列の各鉱物と固溶体をつくる。三方晶系,空間群, 格子定数a0.42381nm, c2.9589, 単位格子中3分子含む。またBi14Te13S8, 空間群,格子定数a0.425nm, c2.960という報告もある。淡鋼灰色,金属光沢,葉片状結晶。劈開{0001}完全,葉片は湾曲性がある。硬度1.5~2,比重7.3(測定値),7.271(計算値)。鉱脈鉱床・スカルン鉱床から,自然金・自然蒼鉛ヘッス鉱ペッツ鉱・カラベラス鉱・マチルダ鉱テルル鉛鉱黄鉄鉱磁硫鉄鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱硫砒鉄鉱赤鉄鉱などとともに産出。四連双晶をなすため,ギリシア語のtetradumos(四連)から命名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「硫テルル蒼鉛鉱」の意味・わかりやすい解説

硫テルル蒼鉛鉱
りゅうてるるそうえんこう
tetradymite

蒼鉛の硫テルル化物。三方蒼鉛カルコゲン化物trigonal bismuth chalcogenidesという名称で総称される一群の層状構造をもった蒼鉛硫化物の一員。セレン置換体河津(かわづ)鉱との間は化学組成上連続する。自形は限られた産地からしか報告されていないが、底面と傾斜の強い錐面(すいめん)からなる正三角錐台。基本的には底面と3個の錐面からなるが、四重の双晶をなすことがある。浅~深熱水性鉱脈型金・銀鉱床、接触交代型(スカルン型)多金属鉱床などに産する。日本では福岡県田川郡香春(かわら)町三ノ岳(さんのだけ)からの産出が知られている。

 共存鉱物は自然金、自然蒼鉛、ヘッス鉱、マチルダ鉱、ペッツ鉱、テルル鉛鉱、黄鉄鉱、磁硫鉄鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱(せんあえんこう)、灰重石輝水鉛鉱などである。同定は淡鋼灰色の外観と条痕(じょうこん)があること、底面に完全な劈開(へきかい)があること、劈開片がたわむこと、非常に低い硬度があることである。英名はギリシア語で四連を意味するτετρδυμος(tetradymos)に由来する。四重の双晶が存在することにより命名された。

[加藤 昭]


硫テルル蒼鉛鉱(データノート)
りゅうてるるそうえんこうでーたのーと

硫テルル蒼鉛鉱
 英名    tetradymite
 化学式   Bi2Te2S
 少量成分  Ag, Pb, Se
 結晶系   三方
 硬度    1.5~2
 比重    7.27
 色     淡鋼灰。錆びると虹色を呈する
 光沢    金属
 条痕    淡鋼灰
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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