デジタル大辞泉
「幾何」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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いくば‐く【幾何・幾許】
- 〘 名詞 〙
- ① 数、量、程度などの不明であることを表わす。どれほど。いくらぐらい、どのくらい。また、それのはなはだしいこと。副詞的にも用いる。
- [初出の実例]「わが背子と二人見ませば幾許(いくばく)かこの降る雪のうれしからまし」(出典:万葉集(8C後)八・一六五八)
- 「さはありとも、院の御世の残りすくなしとて、ここには又いくばくたちおくれ奉るべしとてか、その御後見のことをば受け取り聞えむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
- ② 下に打消の表現を伴って、数、量、程度などが、それほどはなはだしくないことをあらわす。どれほども。それほど。いくらも。
- [初出の実例]「幾時(いくばく)も生けらじものを」(出典:万葉集(8C後)九・一八〇七)
- 「御随身、舎人して取りにつかはす。いくばくもなくて持て来ぬ」(出典:伊勢物語(10C前)七八)
- ③ ( 「いくばくか」の形で用い ) 数量がわずかである。「いくばくかの金を包む」
き‐か【幾何】
- 〘 名詞 〙
- ① 「きかがく(幾何学)」の略。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
- [初出の実例]「代数をやったり、幾何の問題を解いたりするだけであった」(出典:彼女と少年(1917)〈徳田秋声〉五)
- ② どれほど。どれくらい。いくばく。〔音訓新聞字引(1876)〕
幾何の語誌
①は、近世中国の洋学書に由来し、「geometry」の訳語として用いられた。用字の由来は、「geo」をギリシャ語で読んだ場合の音(土地の意味)を近世中国語音で音訳したものと考えられるが、さらに「幾何」の「いくばく」の意味に「metry」(測ること)の意味を掛けているともいわれる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「幾何」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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