(読み)マガキ

デジタル大辞泉 「籬」の意味・読み・例文・類語

ま‐がき【×籬】

竹や柴などで目を粗く編んだ垣根。ませ。ませがき
遊郭で、遊女屋入り口土間と店の上がり口との間の格子戸
籬節まがきぶし」の略。
[類語]垣根フェンス生け垣築地忍び返し囲い外郭牆壁しょうへき

ま‐せ【×籬/×笆/間狭】

《「間狭ませ」の意か》「籬垣ませがき1」に同じ。
劇場の枡の仕切り。

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精選版 日本国語大辞典 「籬」の意味・読み・例文・類語

ま‐がき【籬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 竹や柴などで目をあらく編んだ垣。ませ。ませがき。まがきね。
    1. [初出の実例]「官家(みやけ)を置きて、海表の蕃屏(マカキ)と為て」(出典:日本書紀(720)継体六年一二月(前田本訓))
    2. 「春の鶯の、籬(マガキ)の竹におとづれむを聞かんやうに」(出典:梵舜本沙石集(1283)八)
  3. 遊郭の見世(みせ)と、その入口の落間(おちま)との間の格子戸(こうしど)
    1. [初出の実例]「名におふ嶋原や、籬(マガキ)のかいまみに首尾をたどらぬはなし」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)一)
  4. まがきぶし(籬節)」の略。

ま‐せ【籬・馬柵・馬塞・間狭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 籬 ) 竹や木で作った目の粗いかきね。ませがき。まがき。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「前栽に萱草といふ草を、ませ結ひていとおほく植ゑたりける」(出典:枕草子(10C終)一六一)
  3. ( 馬柵馬塞 ) 放牧場などで、馬が外に出ないように横木を渡して作った垣。また、馬小屋の入口に渡した横棒。ませぼう。うませ。ません。
    1. [初出の実例]「ませがはづれ・昼連立て歩行れる」(出典:雑俳・太箸集(1835‐39)五)
  4. ( 間狭 ) 歌舞伎劇場升席で、升と升の仕切り。二寸角ほどの框(かまち)を渡しておき、狭いが通り道代用にもする。
    1. [初出の実例]「幕の度(たんび)に、間狭(マセ)へ腰をかけるから」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)

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普及版 字通 「籬」の読み・字形・画数・意味


25画

[字音]
[字訓] まがき

[字形] 形声
声符は離(り)。離につける、相連なる意がある。〔釈名、釈宮室〕に「籬は離なり。柴竹を以て之れを作る。(あら)きこと離離たるなり」とあり、粗いまがきをいう。

[訓義]
1. まがき、ませがき。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕籬 末加(まがき)。一に云ふ、末世(ませ)〔名義抄〕籬 マガキ・ミヅガキ・マセ・シバガキ

[語系]
籬・離liaiは同声。まばらに、あらく連なるような状態のものをいう。これに対して累・liuiは密度高く、かさなり合う状態のものをいう。

[熟語]
籬陰籬垣・籬花・籬外・籬菊・籬隙・籬根・籬柵・籬障・籬牆・籬前・籬頭・籬畔・籬樊・籬藩・籬辺・籬門・籬落
[下接語]
垣籬・棘籬・籬・荒籬・山籬・杉籬・雪籬・疎籬・霜籬・短籬・竹籬・東籬・樊籬・籬・藩籬

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「籬」の解説

まがき

?-? 江戸時代前期の女性
大坂新町の遊女。小歌の名手で,万治(まんじ)年間(1658-61)に一派をなし,籬節と称された。籬節は元禄(げんろく)-宝永のころ流行したという。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のの言及

【垣】より

…そのうち,檜垣(ひがき)はヒノキの薄板を網代(あじろ)のように編んだものを木製の枠に張ったもの,透垣(すいがき)は割竹を縦に編むように木製の枠に張ったもので,立蔀(たてじとみ)(格子に薄板を張ったもの)とともに建物の近い周囲に多く用いられた。そのほか中世の武士や庶民の住いなどでは,枝つきの木を人字形に組んだ鹿垣(ししがき)や柴垣,竹を編んだ垣,木枝や竹を格子状に組んだ籬(まがき),種々の樹木を植えた生垣(いけがき)が多く用いられた。 江戸時代の城下町につくられた武家屋敷でも,屋敷の周囲には,築地のほかにいろいろな生垣が用いられた。…

※「籬」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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