缶/罐/鑵(読み)カン

デジタル大辞泉の解説

かん〔クワン〕【缶/×罐/×鑵】

《〈英〉canまたは〈オランダ〉kanから。「缶」「罐」「鑵」は当て字
金属の薄い板で作った容器。特に、ブリキ製のものをいう。「石油―」
缶詰」の略。「鮭(さけ)―」

かん【缶〔罐〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]カン(クヮン)(呉)(漢)
金属製の容器。「缶詰空き缶製缶
「缶詰」の略。「牛缶」
湯わかし器。「薬缶(やかん)
蒸気機関のかま。「汽缶
[補説]「罐」は本来「水を汲むつるべ」をさしたが、今は「缶」によって代用する。「缶」は「フ」が本来の音で、「腹のふくれた水がめ、ほとぎ」の意。1は英語canまたはオランダ語kanの音訳字。34は「鑵」と通用。

ほとぎ【缶】

《古くは「ほとき」》
昔、水などを入れた瓦製の器。胴が太く口が小さい。
「―を打って舞ひ給ふ」〈太平記・二六〉
湯殿で、産湯(うぶゆ)を使うのに用いたかめ。
「御湯参る。…取り入れつつ、むめて御―に入る」〈栄花・初花〉

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大辞林 第三版の解説

ほとぎ【缶】

〔古くは「ほとき」〕
昔、湯や水などを入れるのに用いた、胴が太く口が小さい土器。 「大きなる-に大姫君御覧ぜよ、と書きつけたり/宇津保 国譲中
湯殿で産湯うぶゆに用いた、かめ。 「きよい子の命婦・播磨とりつぎて、うめつつ、女房ふたり、大木工おおもく・馬くみわたして、御-十六に余れば、入る/紫式部日記」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ほとぎ【缶】

〘名〙 (古くは「ほとき」)
① 素焼きのうつわ。かめなど。特に、昔、湯水などを入れた、腹が太く口の小さい瓦器。古代中国の秦では、宴席でこれをたたいて歌に合わせたという。
※書紀(720)推古二五年六月(岩崎本訓)「出雲国言さく、神戸の郡に瓜有り。大きさ缶(ホトキ)の如し」
② 特に、中古、湯殿で産湯(うぶゆ)に用いたかめ。
※紫式部日記(1010頃か)寛弘五年九月一一日「御湯まゐる〈略〉うめつつ、女房ふたり、大木工馬くみわたして、御ほとき十六に余れば、いる」

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