湯桶(読み)ユトウ

デジタル大辞泉 「湯桶」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐とう【湯×桶】

湯茶を入れる器。木製でつぎ口とがあり、多くは漆塗り。そば屋そば湯を入れて用いたりする。
[類語]急須土瓶ティーポット鉄瓶薬缶湯沸かしケトル水差しピッチャー油差しじょうご

ゆ‐おけ〔‐をけ〕【湯×桶】

入浴の際に用いる、湯を入れる桶。
茶道具一種。寒中、露地蹲踞つくばいに湯を入れて出す桶。
[類語]たらいバケツ水桶溜め桶手桶洗い桶風呂桶水槽

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精選版 日本国語大辞典 「湯桶」の意味・読み・例文・類語

ゆ‐とう【湯桶・湯筒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 湯を入れる手桶。特に、食後に飲む湯や茶などを入れる漆器。木製で注ぎ口と柄のついたもの。ゆつぎ。
    1. 湯桶<b>①</b>〈婚礼道具諸器形寸法書〉
      湯桶〈婚礼道具諸器形寸法書〉
    2. [初出の実例]「初更陀羅尼、以後湯桶一肴二種贈横川、以欲勤行衆」(出典蔭凉軒日録‐文明一九年(1487)三月二日)
  3. 茶入れの一種。手桶の形をしたもの。湯桶茶入れともいう。
    1. [初出の実例]「一抹茶壺事〈略〉湯桶(ユトウ)」(出典:君台観左右帳記(1511))

ゆ‐おけ‥をけ【湯桶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ゆあみに用いる湯を入れる桶。入浴用の桶。湯ぶね。浴槽(よくそう)。また、入浴時に用いる、湯を入れる小さな桶。
    1. [初出の実例]「その湯舟に、ゆ桶をしたにとり入れて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
  3. 飲用の湯を入れる桶。ゆとう。
    1. [初出の実例]「下手に蕎麦釜の土竈、二重に膳丼湯桶(ユヲケ)などを置き、総て入谷村蕎麦屋の体」(出典:歌舞伎・天衣紛上野初花(河内山)(1881)六幕)
  4. 茶道具の一つ。寒中、露地の蹲踞(つくばい)に湯を入れて出す、割り蓋つきの桶。

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改訂新版 世界大百科事典 「湯桶」の意味・わかりやすい解説

湯桶 (ゆとう)

食後に飲む湯を入れる容器。〈湯筒〉とも書き,〈湯次(ゆつぎ)〉と呼ぶこともある。現在ではふつう,そば屋でそば湯を入れるのに用いる注ぎ口と柄のついた漆器をいうが,根来(ねごろ)の伝世品などでは弦状の取っ手をつけたものが多い。室町時代には贈答用の酒を入れることも多く,江戸時代になると葬式のあとなどに湯桶に酒を入れてふるまうのを〈湯桶酒(ゆとうざけ)〉と呼ぶこともあった。〈ゆとう〉は上の字を訓,下の字を音で読むもので,こうした読み方を湯桶読みといい,上を音,下を訓で読む重箱読みとともに,〈儒者などは甚笑う事なり〉と伊勢貞丈は書いている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯桶」の意味・わかりやすい解説

湯桶
ゆとう

茶懐石で、食後に出される焦げ湯を入れる器、あるいはそば湯入れをいう。湯次(ゆつぎ)ともいう。多くは漆製で、注ぎ口と把がついている。形は丸形と角形がある。茶懐石では、炒(い)り米を湯といっしょに湯桶に入れ、香ばしい香りと湯の甘味を味わう。また、この焦げ湯自体も湯桶という。

 そば湯入れとしての場合は、そばをゆでたそば湯を湯桶に入れて出し、そばを食べ終わったら、つけ汁の中にそば湯を注いで飲む。湯桶の材質は、漆製のほか、金属瀬戸物などのものもある。

[河野友美・大滝 緑]


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和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典 「湯桶」の解説

ゆとう【湯桶】

注ぎ口と柄のついた、湯を入れて客に供するのに用いる器。そば店などでそば湯を出すとき、または懐石で最後に練り湯を出すときに用い、練り湯自体をもさす。器には角形と丸形のものがあり、木製で漆塗りのものが一般的だが、懐石では夏期には金属製のものを用いることもある。懐石用のものには同じ素材でできた「湯の子すくい」という杓子(しゃくし)が添えられ、練り湯に入っている湯の子を飯椀にとるのに用いる。◇そば湯用のものは「湯筒」、懐石用のものは「湯斗」とも書く。「湯次(ゆつぎ)」ともいう。

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食器・調理器具がわかる辞典 「湯桶」の解説

ゆとう【湯桶】

注ぎ口と柄のついた、湯を入れて客に供するのに用いる器。そば店などでそば湯を出すとき、または懐石で最後に練り湯を出すときに用い、練り湯自体をもさす。器には角形と丸形のものがあり、木製で漆塗りのものが一般的だが、懐石では夏期には金属製のものを用いることもある。懐石用のものには同じ素材でできた「湯の子すくい」という杓子(しゃくし)が添えられ、練り湯に入っている湯の子を飯椀にとるのに用いる。◇そば湯用のものは「湯筒」、懐石用のものは「湯斗」とも書く。「湯次(ゆつぎ)」ともいう。

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普及版 字通 「湯桶」の読み・字形・画数・意味

【湯桶】ゆとう

上は訓よみ、下は音よみ。

字通「湯」の項目を見る

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