臘八(読み)ロウハチ

デジタル大辞泉 「臘八」の意味・読み・例文・類語

ろう‐はち〔ラフ‐〕【×臘八】

《「臘月八日」の略》陰暦12月8日の、釈迦しゃか成道じょうどうの日。ろうはつ。 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「臘八」の意味・読み・例文・類語

ろう‐はつ ラフ‥【臘八】

※永平道元禅師清規(13C中)知事清規「開炉閉炉。臘八。二月半」
日本歳時記(1688)七「八日 もろこしにて臘八(ラフハツ)と云」

ろう‐はち ラフ‥【臘八】

〘名〙 陰暦一二月八日の称。釈尊成道の日として、臘八会を行なう。禅家では一日からこの日の朝まで臘八接心と称する坐禅を行なう。ろうはつ。《季・冬》
[補注]江戸時代前期までは「ろうはつ」であったと考えられる。

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普及版 字通 「臘八」の読み・字形・画数・意味

【臘八】ろう(らふ)はち

陰暦十二月八日。〔東京夢華録、十、十二月〕初日、~大寺、浴佛會を作(な)す。びに七寶五味粥(じゆく)をりて、門徒に與ふ。之れを臘粥と謂ふ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「臘八」の意味・わかりやすい解説

臘八
ろうはち

「ろうはつ」ともいう。臘月八日、つまり12月8日のことで、釈迦(しゃか)が苦行を放棄し、菩提樹(ぼだいじゅ)下で禅定(ぜんじょう)に入って悟りを開いた成道(じょうどう)の日をさす。寺院では、この日、成道を奉讃する成道会(じょうどうえ)を修する。とくに禅宗では臘八会と称し釈尊が坐禅(ざぜん)によって成仏(じょうぶつ)得道した故事に倣って、12月1日から8日の朝まで、昼夜を分かたず坐禅修行し、その恩徳に報いる臘八摂心(せっしん)(精神を集中して統一すること)を行う。住持が法堂(はっとう)に上って成道を祝い、それにちなんで修行僧のために法を説くことを臘八上堂という。

[中尾良信]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「臘八」の意味・わかりやすい解説

臘八
ろうはち

臘月 (12月) 8日の略で,釈尊の成道の日。この日を記念して行われる法会を成道会 (じょうどうえ) という。特に禅宗では 12月1日からその日まで臘八接心と称する坐禅会を行う。また8日の夜に食するかゆを臘八粥という。これは釈尊が成道する直前に,スジャーターという長者の娘から乳糜 (かゆに牛乳を加えたもの) を供養されて,体力を回復したことにちなんだものである。

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