花泉(読み)はないずみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花泉」の意味・わかりやすい解説

花泉
はないずみ

岩手県南端,一関市南部の旧町域。北上川西岸に位置し,南で宮城県に接する。 1955年永井村,涌津村,油島村,花泉村,老松村,日形村の6村が合体し町制施行。 2005年一関市,大東町,千厩町,東山町,室根村,川崎村の6市町村と合体して一関市となった。地名は近世以来の村名による。前九年の役源頼義の率いる朝廷軍の食糧補給地であった。藤原氏葛西氏の支配を経て,天正 19 (1591) 年以来伊達氏が支配。江戸時代以降の北上川の改修工事により米作地帯となった。北上川に注ぐ金流川流域の水田で花泉米を生産。野菜・果樹栽培,畜産酪農も行なわれる。油島の貝鳥貝塚 100基余の古墳がある杉山古墳群があり,金森からはハナイズミモリウシと呼ばれる野牛化石が出土した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「花泉」の意味・わかりやすい解説

花泉
はないずみ

岩手県最南端、西磐井郡(にしいわいぐん)にあった旧町名(花泉町(まち))。現在は一関(いちのせき)市の中南部を占める地域。1955年(昭和30)花泉、永井(ながい)、涌津(わくつ)、油島(ゆしま)、老松(おいまつ)、日形(ひかた)の6村が合併して町制施行。1956年金沢(かざわ)村を編入。2005年(平成17)一関市に合併。JR東北本線、国道342号が通じる。旧町域の中央部の金流(きんりゅう)川、夏川(なつがわ)流域に水田が開け、日形、老松地区を中心に葉タバコ栽培が盛ん。磐井牛の産地としても知られる。金森地区から約5万年前と推定される原始牛ハナイズミモリウシの化石のほか、キンリュウオオツノシカなどの獣骨化石が発掘された。JR油島駅に近い蝦島(えびしま)には淡水貝塚の貝鳥(かいとり)貝塚があり、涌津八幡宮(はちまんぐう)には1268年(文永5)鋳造の国指定重要文化財の鉄五輪塔地輪がある。

[金野靜一]

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百科事典マイペディア 「花泉」の意味・わかりやすい解説

花泉[町]【はないずみ】

岩手県最南端,西磐井(にしいわい)郡の旧町。東境北上川が流れ,丘陵地が広く,稲作,畜産,果樹栽培が盛ん。養蚕も行う。東北本線が通じる。2005年9月東磐井郡千厩町,大東町,東山町,室根村川崎村一関市へ編入。126.83km2。1万6272人(2003)。

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