(読み)そう

精選版 日本国語大辞典 「荘」の意味・読み・例文・類語

そう サウ【荘】

〘名〙 中古貴族や大寺院に付属して、租税を免除されていた土地不輸・不入の特権をもっていた権勢家の私有地荘田(そうでん)荘園(しょうえん)。しょう。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨の院「許多(ここら)年頃地子(ぢし)を待ち使ひつる近江のさうも」

チャン【荘】

〘接尾〙 (中国語から) マージャンで、正式な一ゲームを数えるのに用いる。「一荘(イーチャン)」「半荘」など。

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デジタル大辞泉 「荘」の意味・読み・例文・類語

そう【荘〔莊〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(サウ)(漢) ショウ(シャウ)(呉)
〈ソウ〉
おごそか。いかめしい。「荘厳荘重
いなかにある家。また、仮のすまい。宿泊所。「山荘村荘別荘旅荘
荘子のこと。「老荘
〈ショウ〉
おごそか。おごそかにする。「荘厳しょうごん
荘園しょうえん。「荘司しょうじ
[名のり]たか・たかし・まさ

しょう〔シヤウ〕【荘/×庄】

奈良時代、生産物を貯蔵する倉を中心として周辺園地を配した一区画。
荘園」に同じ。
昔の荘園の名を残した土地の名称。「五箇の―」
日本植民地であった時代の台湾の行政区画の一。街より小さく、社より大きい。

チャン【荘】

[接尾]《〈中国語〉》助数詞。マージャンで、正式な1ゲームを数えるのに用いる。「イーチヤン」「半

そう〔サウ〕【荘】

[接尾]アパート・旅館などの名に付けていう語。「日の出」「臨海

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「荘」の解説


しょう

「そう」とも。庄とも。本来は本宅に対して村里におかれた別荘の意。律令制以前には田荘(たどころ)があったが,これは倉庫などを含む宅とそれに付属した農地を示した。古代には,貴族の別宅や寺院の別荘のほか,東大寺などの官寺が集積した墾田も荘とよばれた。10世紀以降の公田官物などを免除された田,院政期に成立する領域型荘園も荘とよばれたが,その社会構成上の性格は異なる。

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旺文社日本史事典 三訂版 「荘」の解説


しょう

荘園

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【地主】より

… 地主職は,この例にも見られるようにその土地は相伝・譲与され,また開発領主あるいはその所領の相伝者が,地主としての立場において所領を貴族・大社寺など有勢のものに寄進する場合もあった。1184年(元暦1)5月の後白河院庁下文(案)によれば,越前国河和田荘はもと藤原周子の先祖相伝の私領であったが,待賢門院のはからいで法金剛院に寄進し,その際〈地頭預所職〉は周子が留保して子孫相伝することになったという由来が述べられている。いわゆる寄進地系荘園成立の一例であるが,文中に〈当御庄者,是当預所帯本公験,代々相伝之地主也〉と記され,領家への荘園寄進によってその預所となった本来の領主が,その後も依然として地主と呼ばれていたことが判明する(仁和寺文書)。…

【荘園】より


【日本】
日本の荘園についての従来の研究は大きく二つの潮流に分かれる。 第1は荘園を私的大土地所有の形態とみて,その内部構造を究明しようとする流れで,近代史学史の主流をなし,中田薫朝河貫一,牧健二らにより,西欧との比較を通して確立した見方である。…

※「荘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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