(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「荘」の意味・読み・例文・類語

そう【荘〔莊〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(サウ)(漢) ショウ(シャウ)(呉)
ソウ
おごそか。いかめしい。「荘厳荘重
いなかにある家。また、仮のすまい。宿泊所。「山荘村荘別荘旅荘
荘子のこと。「老荘
〈ショウ〉
おごそか。おごそかにする。「荘厳しょうごん
荘園しょうえん。「荘司しょうじ
[名のり]たか・たかし・まさ

しょう〔シヤウ〕【荘/×庄】

奈良時代、生産物を貯蔵する倉を中心として周辺園地を配した一区画。
荘園」に同じ。
昔の荘園の名を残した土地名称。「五箇の―」
日本植民地であった時代台湾行政区画の一。街より小さく、社より大きい。

チャン【荘】

[接尾]《〈中国語〉》助数詞マージャンで、正式な1ゲームを数えるのに用いる。「イーチヤン」「半

そう〔サウ〕【荘】

[接尾]アパート旅館などの名に付けていう語。「日の出」「臨海

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精選版 日本国語大辞典 「荘」の意味・読み・例文・類語

しょうシャウ【荘・庄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しょう」は「荘」の呉音。「庄」は「荘」の俗字 )
  2. 奈良時代、生産物を貯蔵するためのいくつかの倉屋を中心として若干の園地が付属していた経営単位としての地域。生産的な土地である墾田とは区別される。
    1. [初出の実例]「墾田一百町。稲一万二千五百束。庄三区。〈略〉献於西大寺」(出典:続日本紀‐神護景雲元年(767)五月戊辰)
  3. 奈良末・平安時代以降、墾田と倉屋(在家)を含んで、公家寺社私有に属した地域。荘園。
    1. [初出の実例]「右浮宕之徒集於諸庄、仮勢其主、全免調庸」(出典:類聚三代格‐八・延暦一六年(797)八月三日)
  4. 荘園の廃止後、かつての荘園の名を受け継いでいる土地の呼び名。郷(ごう)と並び称せられるもの。
    1. [初出の実例]「ひそかに本国にくだり、おうみのしゃうに住して」(出典:曾我物語(南北朝頃)一)
  5. むらざと。いなか。また、その地に設けられた別宅をもいう。山荘。別荘。
  6. 日本が統治していたころの台湾の行政区画の一つ。「街」の下、「社」の上にあり、日本の「町」にあたった。

そうサウ【荘】

  1. 〘 名詞 〙 中古、貴族や大寺院に付属して、租税を免除されていた土地。不輸・不入の特権をもっていた権勢家の私有地。荘田(そうでん)。荘園(しょうえん)。しょう。
    1. [初出の実例]「許多(ここら)の年頃、地子(ぢし)を待ち使ひつる近江のさうも」(出典:宇津保物語(970‐999頃)嵯峨の院)

チャン【荘】

  1. 〘 接尾語 〙 ( 中国語から ) マージャンで、正式な一ゲームを数えるのに用いる。「一荘(イーチャン)」「半荘」など。

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普及版 字通 「荘」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

(旧字)
11画

[字音] ソウ(サウ)・ショウ(シャウ)
[字訓] おごそか・さかん

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
旧字はに作り、壯(壮)(そう)声。壯に盛大の意がある。〔説文〕一下に「上(しやう)の(いみな)なり」として、説解を加えていない。後漢の明帝の。当時荘姓の人は、そのを避けて厳と改め、厳助・厳安のようにいった。金文に字を(そう)に作り、ときに祝の器である(さい)を加える。〔毛公鼎〕に「唯(こ)れ天(おほ)いに厥(そ)の命を集(な)す」とあり、は将大の意。また〔季子白盤(かくきしはくばん)〕に「戎工(軍事)に武なり」とは、その厳荘なることをいう。宋器の〔亥鼎(ばがいてい)〕に公を公としるしているのでと声近く、おそらくその初文とみてよいであろう。の従う爿(しよう)は、將(将)・壯の爿と同じく、殷器の(しよう)図象から出て、のち將・壯の字となった。〔説文〕古文の字形は艸に従わず、もと厳荘の意の字であろう。

[訓義]
1. おごそか、うやうやしい、ただしい、つつしむ。
2. さかんなさま、ととのうさま。
3. 草のおいしげるさま。
4. むらざと、いなか、別墅(べつしょ)、しもやしき。
5. 六達のみち。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕 カザル・ヨソホヒ・チマタ 〔字鏡集〕 ウツクシヒ・ホシキママ・チマタ

[語系]
・壯・裝(装)tzhiangは同声。おごそかに飾り、壮大を致すことを裝という。

[熟語]
荘園・荘稼・荘課・荘毅・荘客・荘敬・荘潔・荘戸・荘厳・荘士・荘粛・荘飾・荘静・荘地・荘重・荘佃・荘奴・荘賓・荘缶・荘民・荘吏・荘栗・荘麗
[下接語]
威荘・官荘・義荘・旧荘・漁荘・厳荘・康荘・山荘・色荘・粛荘・誠荘・村荘・端荘・別荘・旅荘・老荘

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

山川 日本史小辞典 改訂新版 「荘」の解説


しょう

「そう」とも。庄とも。本来は本宅に対して村里におかれた別荘の意。律令制以前には田荘(たどころ)があったが,これは倉庫などを含む宅とそれに付属した農地を示した。古代には,貴族の別宅や寺院の別荘のほか,東大寺などの官寺が集積した墾田も荘とよばれた。10世紀以降の公田官物などを免除された田,院政期に成立する領域型荘園も荘とよばれたが,その社会構成上の性格は異なる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

旺文社日本史事典 三訂版 「荘」の解説


しょう

荘園

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【地主】より

… 地主職は,この例にも見られるようにその土地は相伝・譲与され,また開発領主あるいはその所領の相伝者が,地主としての立場において所領を貴族・大社寺など有勢のものに寄進する場合もあった。1184年(元暦1)5月の後白河院庁下文(案)によれば,越前国河和田荘はもと藤原周子の先祖相伝の私領であったが,待賢門院のはからいで法金剛院に寄進し,その際〈地頭預所職〉は周子が留保して子孫相伝することになったという由来が述べられている。いわゆる寄進地系荘園成立の一例であるが,文中に〈当御庄者,是当預所帯本公験,代々相伝之地主也〉と記され,領家への荘園寄進によってその預所となった本来の領主が,その後も依然として地主と呼ばれていたことが判明する(仁和寺文書)。…

【荘園】より


【日本】
日本の荘園についての従来の研究は大きく二つの潮流に分かれる。 第1は荘園を私的大土地所有の形態とみて,その内部構造を究明しようとする流れで,近代史学史の主流をなし,中田薫朝河貫一,牧健二らにより,西欧との比較を通して確立した見方である。…

※「荘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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