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 セイ

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デジタル大辞泉の解説

せい【誠】[漢字項目]

[音]セイ(漢) [訓]まこと
学習漢字]6年
うそ偽りのない心。まごころ。まこと。「誠意誠実至誠赤誠丹誠忠誠熱誠
[名のり]あき・あきら・かね・さと・さね・しげ・すみ・たか・たかし・たね・とも・なが・なり・なる・のぶ・のり・まさ・み・もと・よし

ま‐こと【誠/真/実】

《「真(ま)事(こと)(言(こと))」の意》
[名]
本当のこと。うそ・偽りのないこと。「うそから出た―」「―の武士」
誠実で偽りのない心。すなおでまじめな心。「―の情」「―を尽くす」
歌論・俳論用語。作品に現れる作者の真情・真実性。
[副]本当に。実に。
「―済まん次第じゃが」〈有島カインの末裔
[感]話の間に気づいたことを言い出すとき、忘れていたのを思い出したとき、別の話題に転じるときなどに発する語。ほんとうにまあ。そうそう。まことや。
「―、人知れず心ひとつに思ひ給へあまること侍れ」〈狭衣・四〉

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世界大百科事典 第2版の解説

せい【誠 chéng】

中国思想の概念。偽(いつわり)の対語で,うそいつわりのない言行をいうが,この語が哲学的概念として登場するのは《大学》《中庸》においてである。《大学》では〈格物〉〈致知〉〈誠意〉〈正心〉〈修身〉〈斉家〉〈治国〉〈平天下〉のいわゆる8条目の一つとして,《大学》の一翼をになっている。《中庸》では,前半で〈中庸〉が説かれるのに対し,後半は〈誠は天の道なり,これを誠にするは人の道なり〉という有名な句にはじまって,もっぱら誠を中心に議論が展開する。

まこと【誠】

和語の〈まこと〉は,〈事〉〈言〉に接頭語の〈ま(真)〉が付いたもので,〈本当のこと〉〈真実の言葉〉の意である。上代では,言と事は未分化であったから,〈まこと〉は,そのいずれにも通じる言葉として用いられた。心の〈まこと〉すなわちいつわりない忠実な心,誠意という意味での〈まこと〉の用例も存在する(《日本書紀崇神天皇紀)が,この用法が一般的であったか否か確証はない。ただし,《続日本紀》宣命(せんみよう)に〈明き浄き直き誠の心〉とあるように,倫理的な色彩をともなう言葉としても古くから使われていたといえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


まこと

儒教の徳目。敬が外面的恭順をいうのに対して精神態度の誠実をいう。『大学』の8条目に誠意があり、『中庸(ちゅうよう)』には「誠とは天の道なり。これを誠にするは人の道なり」とある。朱熹(しゅき)(朱子)は、この誠を真実で邪心のないこと、天の理法の本来の姿と解釈した。つまり天の理法は人間の道徳実践の目標としてあり、その内容は真実無妄(むぼう)だというのである。聖人はこの境地に達しているが、凡人は道徳実践によって天の理法と合一することが求められた。『大学』の誠意章は、朱熹が臨終の数日前まで補訂の筆をとるほど重視したが、ただ朱子学では、誠意の前段階である「物に格(いた)り、知を致(いた)す」という認識方法に重点が置かれていた。明(みん)代の王陽明(守仁(しゅじん))は『大学』の古いテキストの再評価を通して、誠意が学問の中心テーマであることを明らかにした。このようにして誠意は宋明(そうみん)代思想の重要な問題点の一つとなったのである。[佐野公治]

日本

近世の日本儒教のもっとも基本的な徳目である。また日本で強調された誠は、中国の誠と異なり、天の理法との合一に誠をみるものではなく、人と交わり事をなすときにおける心情の純粋さそのものを内容とした。この誠を重視する傾向は「已(や)むことを得ざる、これを誠と謂(い)う」とした山鹿素行(やまがそこう)に始まるが、人と交わり事をなすときの欺かず偽らざる真実さを実践倫理の根本とした伊藤仁斎(じんさい)によって強力に推し進められた。後期において、誠は表裏一体・内外一致という仕方で一般に理解されたが、誠を重視する傾向がもっとも高まったのは幕末である。吉田松陰(しょういん)は、心に思うことを実行に移すこと(実)、その一事に集中すること(1)、事が成就(じょうじゅ)するまで持続すること(久)を誠の三大義とした。このような誠重視の傾向は、清明心などを重んじた古来の日本人の伝統的心情が儒教概念の理解に反映したものである。[相良 亨]
『武内義雄著『日本の儒教』(『易と中庸の研究』所収・1943×・岩波書店) ▽相良亨著『近世の儒教思想――「敬」と「誠」について』(1966・塙書房)』

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世界大百科事典内のの言及

【蕉風俳諧】より

…しかし,景をして言外の情を語らしめる理想は,現実には景に情を託そうとはかる作為的な句作りに落ちやすい。景情融合の句作りを保証するものは表現主体が表現対象と合一する境地であり,合一をもたらすものは〈(まこと)〉,妨げるものは私意であるという芭蕉は,誠を責めれば句作りは自然に成ると説いたが,その高度な抽象論を理解し,実践できる者はまれであった。晩年の芭蕉は,私意の介入する余地のないまでに情の表出を抑え,〈軽み〉と称して日常の景を淡々と描き出す作風を唱導したが,そのために浪漫的な香気が失せたことも否めない。…

【日本】より

…矛盾が明らかなときには,彼らは彼らの立場を固執する。彼らの立場は,戦国武士団の理想であり,仲間の団結と主君への忠誠である。彼らにとっては,その所属する共同体を超えるいかなる絶対的価値も存在しなかった。…

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