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訴訟物 そしょうぶつStreitgegenstand

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

訴訟物
そしょうぶつ
Streitgegenstand

訴訟における審判の対象となる事項。訴訟の目的または客体ともいう。訴訟物についての原告の主張を訴訟上の請求と呼ぶ。給付訴訟および形成訴訟について訴訟物をどのように構成するかは,現在考え方が分れているところである。日本では実体法上の給付請求権あるいは形成権を訴訟物と考えるのが従来の通説的見解であり,判例のとるところである (旧訴訟物理論) 。給付あるいは形成を求めうる法的地位が訴訟物であるという考え方 (新訴訟物理論) はドイツでは判例・通説となっているが,日本でも学説上最近は優勢である。訴訟物についての考え方の差異は,既判力の客観的範囲の決定などに影響する。

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デジタル大辞泉の解説

そしょう‐ぶつ【訴訟物】

民事訴訟において、審判の対象となるもの。原告訴訟上の請求として、その存否を主張する権利関係。訴訟の目的。訴訟の客体。

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世界大百科事典 第2版の解説

そしょうぶつ【訴訟物】

訴訟物は,訴訟の目的,訴訟対象などともいわれ,民事訴訟では,原告が被告と争っている具体的な私法上の権利関係,たとえば,100万円の売買代金の請求や,ある土地,家屋の所有権の確認などの主張である。この主張のことを訴訟上の請求ともいうから,訴訟物は結局訴訟上の請求であるといってよい。民事訴訟には,所有権などの支配権,その他私法上の地位(たとえば,ある会社の従業員であることなど)の,確認を求める訴訟(確認訴訟),また,原告が被告に一定の給付を求める給付訴訟,そして,かなり特別なものとして,離婚など,法律関係の変動を求める形成訴訟があり,そのいずれによって判決が要求されているかは,訴訟物によって決められなければならない(民事訴訟法133条2項)。

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大辞林 第三版の解説

そしょうぶつ【訴訟物】

民事訴訟において、審判の対象となる事項。原告が請求して、その存否を主張する権利関係。訴訟の目的。訴訟の客体。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

訴訟物
そしょうぶつ

特定の訴訟における審理・判決の対象を「訴訟の目的」あるいは「訴訟物」という。おもに民事訴訟上の用語であるが、刑事訴訟では公訴事実または訴因がこれにあたる。
 訴訟物という表現は旧民事訴訟法上で用いられたものであり、現行法典ではそれを訴訟の目的といっているが、現在でも多くの学説は訴訟物の語を慣用している。そこで、訴訟物とは、原告が訴えによって、その当否につき裁判所の審理・判決を求める具体的な法律的主張とされている。それは、原則として当事者間に争いがあるため、特定訴訟において審理・判決される私法上の権利または法律関係のことである。これを講学上「訴訟上の請求」ともいい、原告が裁判所へ提出する訴状に記載する「請求の趣旨及び原因」(民事訴訟法133条2項)によって示される。したがって、訴訟物は、原告が主観によって具体的事実に結び付けて審理・判決を求める範囲・限度における権利または法律関係ということができる。そして訴訟物として原告が主張するそれが客観的・具体的に存在するか否かを明確にすることが、訴訟審理の内容となり、その結果、原告の請求の当否が判断される。このとき訴訟物は判決の対象ともなる。[内田武吉・加藤哲夫]

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