

(朔)(さく)。訴と同義の字で、〔説文〕三上に訴の別体の字としているが、訴は告訴・訴訟など訟獄の意に用い、
は情を以て告げる意に用いる。〔詩、
風、柏舟〕「
(しばら)く言(ここ)に
き
(うつた)へて 彼の怒りに
へり」とみえる。〔易、履、九四〕に「虎の尾を履(ふ)む。
(さくさく)たらば
(つひ)に吉なり」とは、恐懼のさまをいう。
ウタフ・ウタヘ・ウレフ・ムカフ・ホム・ノブ 〔字鏡〕
ウレソフ・シコツ・ウタフ・ウレフ・モノロロ(ホル)
▶・
怒▶・
風▶・
苦▶・
告▶・
訟▶
・譖
・赴


(さく)。ゆえに字はまた
に作る。〔説文〕三上に「
ぐるなり」とあり、上訴することをいう。告訴するので譖毀(しんき)の意を含む。〔論語、顔淵〕「膚受(ふじゆ)の
(うつた)へ」とは、かけこみ式の哀訴をいう。ただ訴訟のときには、
ではなく訴を用いる。
ウタフ・ウタヘ・ウレフ・ムカフ・ホム・ノブ
kは同声。流れに逆らって上るを泝といい、人意に逆らって告訴することを訴という。
▶・訴怨▶・訴毀▶・訴告▶・訴詞▶・訴状▶・訴牒▶
訴・応訴・往訴・起訴・泣訴・公訴・控訴・号訴・強訴・嗷訴・告訴・獄訴・讒訴・自訴・愁訴・訟訴・勝訴・上訴・譖訴・請訴・嘆訴・牒訴・追訴・通訴・提訴・敗訴・反訴・赴訴・密訴・免訴・面訴出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…他方,社会の一般構成員にとって裁判は重大な関心事であるので,政治権力が一般被支配者に,裁判をとおして自己の正当な利益の実現を図る権利や機会をどの程度認めるかということも,その支配体制の根本的性格を規定する特徴となる。一般に,西洋では伝統的に,慣習,契約,法令等の法的根拠に基づく利益主張を,一般人民が支配者の前で公然と行うことは当然とされ,支配者が公正な裁判によってそれを保護することは,支配体制の正当性を支える基本的な要請とされてきたのに対して,東洋では,革命前の中国や幕藩体制下の日本にも見られるように,〈権利〉の観念が否定され,人民の間の争いや裁判への訴えを極力抑え,裁判も明確な法的規準に従った厳然たる裁定よりも実質的観点(後述)から当事者間の和解を半ば強制する,調停的色彩の濃いものとなるところに支配体制の特徴があった。
【裁判の形態】
殺傷とか,姦通とか,取引による債務の不履行とかの,社会生活上絶えず発生する問題から生ずる法的争いは,原始時代以来さまざまの形で処理されてきた。…
※「訴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...