(読み)ヒナ

デジタル大辞泉 「鄙」の意味・読み・例文・類語

ひな【×鄙】

都から離れた土地田舎。「にはまれなしゃれた店」
[類語]田舎在所在郷ざいごう在地在方ざいかた近在田園地方辺地辺境僻地へきち僻陬へきすう辺鄙奥地辺土ローカル片田舎鄙びる草深い

ひ【鄙】[漢字項目]

[音]ヒ(呉)(漢) [訓]ひな ひなびる
都市部から離れた地。いなか。「都鄙辺鄙
いなかっぽい。ひなびている。つまらなく卑しい。「鄙語鄙俗鄙劣鄙陋ひろう鄙猥ひわい野鄙
自分のことをへりくだっていう語。「鄙見
[補説]3は「」と通用する。

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精選版 日本国語大辞典 「鄙」の意味・読み・例文・類語

ひな【鄙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 都から遠く離れた所。いなか。
    1. [初出の実例]「上つ枝は 天を覆へり 中つ枝は 東を覆へり 下づ枝は 比那(ヒナ)を覆へり」(出典古事記(712)下・歌謡)
  3. 未開の土地の住民支配が及んでいない土地の住民。
    1. [初出の実例]「四道(よものみち)将軍(いくさのきみ)戎夷(ヒナ)を平(たひら)げたる状(かたち)を以(も)て奏(まう)す」(出典:日本書紀(720)崇神一一年四月(北野本訓))

ひ【鄙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いやしいこと。いなかびて下品なこと。〔古詩‐為焦仲卿妻作〕
  3. いなか。ひな。郊外。〔国語‐斉語〕

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普及版 字通 「鄙」の読み・字形・画数・意味


14画

[字音]
[字訓] いなか・いやしい・かたくな

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 形声
声符は(ひ)。は鄙の初文。〔説文〕六下に「五(ごさん)を鄙と爲す」と〔周礼、地官、遂人〕の制によって説く。一は百家、五百家を鄙とする。の下部は廩倉(りんそう)の象、上部の囗(い)は邑の従うところと同じく、その地域・区画を示す。もと農耕地の耕地と廩倉とをいう。金文に「(とひ)」とあり、と鄙と対文。に邑を加えて鄙となる。その鄙を、地域の全体の関係において示すものを圖(図)という。すなわち経営的な農地で、圖に地図の意と図謀・企図の意とがある。

[訓義]
1. いなか、ひな、農地、行政の区画、くに。
2. いやしい、ちいさい、みすぼらしい。
3. かたくな、おろか、みだり、はじる。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕鄙 伊也志(いやし) 〔名義抄〕鄙 イヤシ・ウレフ・ハヂ・ヰナカ・ヒナ・アシ/邊鄙 アツマト・アツマヒト

[語系]
鄙・pi(卑)pieは声近く、鄙に卑穢の意がある。

[熟語]
鄙暗・鄙闇・鄙意・鄙遠・鄙家鄙懐鄙願・鄙近・鄙鄙愚・鄙見・鄙言・鄙鄙固・鄙語・鄙鄙詐・鄙細・鄙旨・鄙事・鄙儒・鄙笑・鄙心・鄙臣・鄙人・鄙浅鄙賤・鄙俗・鄙都・鄙徳・鄙鈍・鄙倍・鄙薄・鄙夫鄙朴・鄙樸・鄙野・鄙俚・鄙吝・鄙・鄙累・鄙劣・鄙陋・鄙老・鄙穢
[下接語]
寒鄙・頑鄙・愚鄙・郊鄙・四鄙・俗鄙・貪鄙・田鄙・都鄙・卑鄙・微鄙・辺鄙・樸鄙・野鄙・俚鄙・陋鄙

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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