遠流(読み)おんる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

遠流
おんる

律令制における一種。中国法の「三千里」の制度を継受したもの。その配は,神亀1 (724) 年のによって,伊豆安房常陸佐渡隠岐土佐の6国と定められている。遠流の実例奈良,平安時代を通じて少くなく,特に平安期以降,死刑囚をすべて遠流に減刑する慣行が生じたために,その数が著しく増大している。鎌倉期にいたって,遠流は朝廷法,武家法の双方に採用され,その配流地には夷島などが加えられた。武家法においては,この刑は,「所帯なき」武士に,所領没収に代えて科されるものであって,この点に式目系の法の特徴が見出される。戦国期以降,継受法である遠流は,その姿を消し,代って固有法系に属する遠島が行われるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

おん‐る〔ヲン‐〕【遠流】

古代のに定めた三流(さんる)の一。流罪(るざい)のうち最も重いもの。平安時代には、伊豆安房(あわ)常陸(ひたち)佐渡隠岐(おき)土佐など、都を遠く離れた土地に流した。えんる。→近流(こんる)中流(ちゅうる)

えん‐る〔ヱン‐〕【遠流】

おんる(遠流)

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

遠流
おんる

古代の律(りつ)に定める流刑(るけい)のうち、もっとも重いもの。中流(ちゅうる)・近流(こんる)に比し京からの距離がもっとも遠く、『延喜式(えんぎしき)』では伊豆、安房(あわ)、常陸(ひたち)、佐渡、隠岐(おき)、土佐などが刑地とされた。

[編集部]

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精選版 日本国語大辞典の解説

えん‐る ヱン‥【遠流】

〘名〙 罪人を遠方の地に流すこと。島流し。おんる。
※浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)一「上へ讒(さかしら)を以てあしざまに申上遠流(ヱンル)せらるるか」

おん‐る ヲン‥【遠流】

〘名〙 律令制に定める流罪(るざい)のうち最も重いもの。中流(ちゅうる)、近流(こんる)に比べて京からの距離が遠い。延喜式では伊豆、安房、常陸、佐渡、隠岐、土佐等の国がその地とされているが、必ずしもこの六国に限られていなかった。→遠島(おんとう)
※続日本紀‐天平勝宝六年(754)一一月甲申「下所司推勘、罪合遠流
※平家(13C前)二「死罪一等を減じて遠流せらるべしと見えて候へども」 〔魏書‐源懐伝〕

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