デジタル大辞泉 「遣り手」の意味・読み・例文・類語 やり‐て【▽遣り手】 1 物事をする人。物事を行う人。「危険な仕事なので遣り手がない」2 物を与える人。物をくれる人。「遣り手がいても、もらい手がない」3 腕前のある人。敏腕家。「業界きっての遣り手」4 遊郭で客と遊女との取り持ちや、遊女の監督をする年配の女。花車かしゃ。香車きょうしゃ。やり。遣り手婆ばば。5 近世の末期に流行した女性の髪形。やりてむすび。6 船をつなぐ綱。もやいづな。7 牛を使う人。牛車ぎっしゃを動かす人。「牛飼は、平家内大臣の童わらはを取りてつかひければ、高名の―なり」〈盛衰記・三三〉[類語](3)利け者・業師・仕事師・プロ・専門家・スペシャリスト・玄人くろうと・本職・エキスパート・ゼネラリスト・セミプロ・プロフェッショナル・匠たくみ・名人・達人・達者・名手・巨星・巨匠・名匠・名工・大家たいか・権威・腕利き・腕扱こき・腕達者・第一人者・敏腕・素人しろうと離れ・玄人くろうとはだし・神業かみわざ・ベテラン・オーソリティー・ソムリエ・スキルドワーカー・マイスター・プロパー 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「遣り手」の意味・わかりやすい解説 遣り手やりて 遊女や禿(かむろ)を監督しつつ身辺の世話をする女。遣り手婆(ばば)ともいう。監督しやすいように遊女屋の二階の上り口に遣り手部屋があるので「二階のおばさん」ともよばれた。遊女の素行・勤務状況をつねに監視し、遊興費や遊女の貸借勘定を取り扱った。遊女屋・客・遊女の三者間を巧みに切り回す独特の才能が必要で、古参の新造など遊廓(ゆうかく)生活者の中年女がつとめた。固定給は少なく、祝儀収入に頼ることが多かった。[原島陽一] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by