邑(漢字)

普及版 字通 「邑(漢字)」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 7画

[字音] ユウ(イフ
[字訓] みやこ・まち・むら

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
囗(い)+巴。囗は都邑の外郭、巴は(せつ)で人の坐する形。城中に人のある意で、城邑・都邑をいう。〔説文〕六下に「國なり。囗に從ふ。先王の制、大小り。に從ふ」とあり、を大小の節の意とするが、は人の踞する象。囗の下に三人相並んで立つものは衆、卜文に口下にをしるす。卜辞に大邑商の名がみえ、王都を大邑といった。周初の新邑は成周、のちの洛陽で、成周とは武装都市の意。〔左伝〕にみえる外交の辞に、自国のことを弊邑・小邑という。また村落をいい、金文の〔(そはく)〕に、二百九十九邑と民人都鄙とを賜与することをいう。〔左伝、荘二十八年〕に「そ邑に宗先君の(位るをと曰ひ、無きを邑と曰ふ」とみえる。

[訓義]
1. みやこ、くに。
2. まち、むら、さと。
3. 行政区域の名。九夫をもって一井、四井をもって一邑とする。
4. 悒(ゆう)と通じ、うれえる。

[古辞書の訓]
名義抄〕邑 ムラ・サト・クニ・ウレフ

[声系]
〔説文〕に邑声として・悒・など四字を収める。邑声の字に〔詩、召南、行露〕「厭(えんいふ)たる行露」のように、潤う状態をいうものが多いのは、形況の語としてその音が用いられたからであろう。厭ip-jpは畳韻、形況の語である。

[熟語]
邑屋邑郭・邑君・邑戸邑侯・邑豪・邑宰・邑子・邑社邑聚邑庠邑誦邑紳・邑人・邑制・邑中・邑長邑廛・邑土・邑党・邑民・邑門・邑野邑邑・邑落・邑里邑吏邑閭・邑・邑・邑老
[下接語]
鬱邑・遠邑・下邑・巌邑畿邑・虚邑・郷邑・京邑・建邑・県邑・古邑・故邑・公邑・国邑・采邑・祭邑・山邑・子邑・私邑・州邑・聚邑・小邑・城邑・食邑・新邑・陬邑・井邑・絶邑・宗邑・村邑・大邑・通邑・都邑・鄙邑・富邑・敞邑・辺邑・偏邑・奉邑・封邑・良邑

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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