野村萬斎(読み)のむらまんさい[にせい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「野村萬斎」の意味・わかりやすい解説

野村萬斎(2世)
のむらまんさい[にせい]

[生]1966.4.5. 東京,練馬
和泉流狂言方の能楽師。本名武司。初世野村萬斎のひ孫で,野村万作長男。父万作と祖父 6世野村万蔵師事。1970年『靭猿(うつぼざる)』のサルで初舞台。1984年『三番叟』,1988年『釣狐』を初演。1994年から 1年間,文化庁芸術家在外研修制度によりイギリス留学。1996年『花子』を初演。劇場狂言などの革新的狂言で若い観客層を発掘。木下順二作『子午線の祀り』,ギリシア悲劇オイディプス王』に主演。テレビ,映画などにも積極的に出演し話題を呼ぶ。2002年,世田谷パブリックシアターの芸術監督に就任。1999年シアターコクーン公演『薮の中』の演出で芸術祭賞新人賞。2002年度芸術選奨文部科学大臣新人賞。2012年『花子』のシテで芸術祭賞優秀賞。狂言ござる乃座主宰。万作の会に所属。著書に『萬斎でござる』(1999),『狂言サイボ-グ』(2001)がある。伯父野村萬野村四郎観世流シテ方),野村万之介がいる。(→

野村萬斎
のむらまんさい

[生]文久2(1862).7.21. 金沢
[没]1938.1.14. 東京
能楽師,和泉流三宅派狂言方。野村万蔵家の5世。4世万造の長男。 1883年以降東京に定住三宅庄市に師事。明治末年から昭和にかけて,衰微しつつあった狂言界を隆盛に導いた。 1922年長男万作 (6世万蔵) に家督を譲り,隠居して萬斎と号する。次男万介には 36年,師の三宅家を継がせた (→三宅藤九郎 ) 。「よいや会」を主宰。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「野村萬斎」の解説

野村 萬斎(初代)
ノムラ マンサイ


職業
狂言師(和泉流)

肩書
和泉流野村万蔵家5代目

別名
幼名=良吉,前名=野村 万造(5代目)(ノムラ マンゾウ)

生年月日
文久2年 7月21日

出生地
加賀国金沢(石川県 金沢市)

経歴
4代万造義比(よしちか)の長男。4歳で初舞台。明治13年上京、16年より東京に定住。三宅庄市に師事。明治の終り頃から東都狂言界に重きをなした。大正11年隠居して萬斎を名乗る。よいや会を主宰。風格のある芸風で知られた。昭和11年には二男万介に長年断絶していた三宅藤九郎家を継がせた。

没年月日
昭和13年 1月14日 (1938年)

家族
長男=野村 万蔵(6代目),二男=三宅 藤九郎(9代目)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「野村萬斎」の解説

野村萬斎(2代) のむら-まんさい

1966- 昭和後期-平成時代の能楽師狂言方,俳優。
昭和41年4月5日生まれ。和泉(いずみ)流。祖父・6代野村万蔵,父・2代野村万作に師事。昭和45年「靱猿(うつぼざる)」で初舞台。のち狂言「三番叟」「釣狐」「花子」などを演じる。平成2年舞台「ハムレット」に主演。6年2代野村萬斎を襲名。14年「陰陽師」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞,ブルーリボン賞主演男優賞。同年世田谷パブリックシアター芸術監督に就任。15年「オイディプス王」「まちがいの狂言」で読売演劇大賞優秀男優賞。同年「髭櫓」の演技などで芸術選奨文部科学大臣新人賞。他にテレビ「花の乱」「あぐり」への出演や舞台の演出など多方面で活躍。25年「のぼうの城」で日本アカデミー賞優秀主演男優賞。東京都出身。東京芸大卒。本名は野村武司。

野村萬斎(初代) のむら-まんさい

1862-1938 明治-昭和時代前期の能楽師狂言方。
文久2年7月21日生まれ。4代野村万造の長男。和泉(いずみ)流三宅派。野村万蔵家の5代。父の弟子に稽古をうけ,明治16年金沢から上京し三宅庄市にまなぶ。大正11年家督を長男万作(6代野村万蔵)にゆずり,隠居して萬斎を名のった。昭和13年1月14日死去。77歳。加賀(石川県)出身。前名は万造。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

20世紀日本人名事典 「野村萬斎」の解説

野村 萬斎(1代目)
ノムラ マンサイ

明治〜昭和期の狂言師(和泉流) 和泉流野村万蔵家5代目。



生年
文久2年7月21日(1862年)

没年
昭和13(1938)年1月14日

出生地
加賀国金沢(石川県金沢市)

別名
幼名=良吉,前名=野村 万造(5代目)(ノムラ マンゾウ)

経歴
4代万造義比(よしちか)の長男。4歳で初舞台。明治13年上京、16年より東京に定住。三宅庄市に師事。明治の終り頃から東都狂言界に重きをなした。大正11年隠居して萬斎を名のる。よいや会を主宰。風格のある芸風で知られた。昭和11年には二男万介に長年断絶していた三宅藤九郎家を継がせた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

367日誕生日大事典 「野村萬斎」の解説

野村 萬斎(2代目) (のむら まんさい)

生年月日:1966年4月5日
昭和時代;平成時代の狂言師(和泉流)

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android