(読み)コウ

デジタル大辞泉 「降」の意味・読み・例文・類語

こう【降】[漢字項目]

[音]コウカウ)(漢) ゴウ(ガウ)(呉) [訓]おりる おろす ふる くだす くだる
学習漢字]6年
〈コウ〉
高い所からおりる。くだる。「降下降壇下降滑降昇降乗降沈降
空からふる。「降雨降雪
位などをさげる。「降格降給
負けて従う。「降参降伏投降
その時からあと。「以降
〈ゴウ〉仏教で、悪魔を負かして従える。「降伏ごうぶく降魔
難読天降あも

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精選版 日本国語大辞典 「降」の意味・読み・例文・類語

こうカウ【降】

  1. 〘 名詞 〙 降参すること。敵に屈伏すること。降服多く「降を乞う」の形で用いられる。
    1. [初出の実例]「得今月日奏状、具知賊虜乞降之由」(出典:日本三代実録‐元慶二年(878)一〇月一三日)
    2. 「一日の命をたべとぞ降(カウ)は乞ふ」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)中)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐光武紀上〕

ふろ【降】

  1. 〘 自動詞 動 〙 動詞「ふる(降)」の連体形にあたる、上代東国方言。
    1. [初出の実例]「上毛野伊香保の嶺(ね)ろに布路(フロ)(よき)のゆきすぎかてぬ妹が家のあたり」(出典:万葉集(8C後)一四・三四二三)

ふり【降】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「ふる(降)」の連用形名詞化 ) 雨や雪などの降ること。また、その降り方や程度
    1. [初出の実例]「俄のおふりでお困りなさいませう」(出典:歌舞伎・島鵆月白浪(1881)三幕)

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普及版 字通 「降」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

(旧字)
9画

[字音] コウ(カウ)
[字訓] くだる・ふる

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
(ふ)+(こう)。は神の陟降する神梯の象。〔説文〕十四下に「下るなり」とするが、神の降下することをいう。〔書、多士〕「惟(こ)れ格す」とみえる。卜辞に「(とが)を(くだ)さざるか」「は大(かん)()をさざるか」「疾をすこと勿(な)きか」のように、これらはすべて上帝の意思によって下民に降されるものとされた。降雨も同じ。また「丁をさんか」のように、祖霊の降下することを卜する例がある。神聖の命を以て与えられるものをすべて降といい、降命という。春秋期以後、降服の意にも用いる。

[訓義]
1. くだる、天よりくだる、上よりくだる、くだす、神意によってくだる。
2. おちる、ふる、たれる。
3. しりぞける、ひきさげる、へりくだる、地位をさげる。
4. と通じ、大水、洪水。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕 志奈々々尓(しなしなに) 〔名義抄 クダス・クダル・オル・シリゾク・シタガフ・コノカタ・タスク・オク・フル・フス・タガフ・ノゾク・オトス/以 コノカタ

[語系]
homは同声。上帝の意によって、天譴として下される大水を水という。洪hongと声が近い。

[熟語]
降意・降雨・降下・降禍・降・降階・降格・降革降監・降鑒降旗・降咎・降・降形・降眷・降婚・降災・降散・降志・降首・降授・降集・降聚・降従・降書・降恕・降昇・降将・降祥・降情・降辱・降神・降心・降人・降綏・降瑞・降生・降聖・降雪降仙・降祚・降損降奪降誕・降著・降衷・降黜・降調・降陟・降典・降投・降登・降等・降榻・降・降年・降拝・降旛・降筆・降表・降附・降符・降伏・降服・降福・降物・降兵・降俸・降北・降麻・降民・降免降踊・降竜・降虜・降臨・降礼・降霊
[下接語]
以降・下降・滑降・勧降・帰降・乞降・屈降・減降・嶽降・左降・詐降・自降・出降・升降・招降・昇降・乗降・心降・神降・親降・瑞降・崇降・霜降降・誕降・陟降・沈降・帝降・逓降・天降・投降・登降・等降・騰降・篤降・巫降・伏降・服降・貶降・揖降・来降・霊降

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