陸でなし(読み)ロクデナシ

デジタル大辞泉 「陸でなし」の意味・読み・例文・類語

ろく‐で‐なし【陸でなし/×碌でなし】

のらくらしていて役に立たない者。
[補説]「碌」は当て字
[類語]馬鹿阿呆あほう魯鈍ろどん愚鈍無知蒙昧もうまい愚昧ぐまい愚蒙ぐもう暗愚頑愚愚か薄のろ盆暗ぼんくらまぬけとんまたわけ馬鹿者馬鹿野郎馬鹿たれ与太郎抜け作おたんこなすおたんちんあんぽんたんべらぼうあほんだら頓痴気木偶でくの坊唐変木表六玉表六いかれぽんちぼけなす脳足りん出来損ない頓珍漢すっとこどっこい

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精選版 日本国語大辞典 「陸でなし」の意味・読み・例文・類語

ろく‐で‐なし【陸でなし・碌でなし】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「碌」はあて字 ) 人がまともでないこと。また、その人。役に立たないのらくらもの。道楽者
    1. [初出の実例]「又ろくといふは直(ちょく)の字に当るか。物を直(すなほ)に置事をろくに置といひ、直(ちょく)ならぬ人を、ろくでなし、と云」(出典物類称呼(1775)五)
    2. 「コレあのろくでなしどのから、手めへの小遣へぐらゐはよこしもしたろうが」(出典:人情本・春色辰巳園(1833‐35)四)

陸でなしの語誌

建築用語の「陸墨」「陸屋根」などの「陸」(水平・直の意)から、「ろく(陸)」のような平らなさまの意味で用いられ、同時に「ろく(陸)」のような下に否定の語を伴った用法からさらに「酒を呑(のむ)者はろくでない」〔滑稽本浮世風呂‐四〕(一八〇九‐一三)を経て「ろくでなし」という名詞形が成立した。

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