(読み)ショウ

デジタル大辞泉 「障」の意味・読み・例文・類語

しょう【障】[漢字項目]

[音]ショウ(シャウ)(呉)(漢) [訓]さわる
学習漢字]6年
じゃまをする。じゃま。さしさわり。「障害故障罪障支障万障魔障
隔てさえぎるもの。「障子障壁
防ぐ。「保障
難読障泥あおり泥障あおり気障きざ内障そこひ

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精選版 日本国語大辞典 「障」の意味・読み・例文・類語

さわりさはり【障】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「さわる(障)」の連用形の名詞化 )
  2. 妨げること。じゃますること。妨げ。
    1. [初出の実例]「湊(みなと)入りの葦別け小舟障(さはり)多み吾が思ふ君に会はぬ頃かも」(出典:万葉集(8C後)一一・二七四五)
  3. さしさわること。都合が悪くなること。さしつかえ。支障。障害。
    1. [初出の実例]「真幸(まさき)くて妹が斎(いは)はば沖つ波千重に立つとも佐波里(サハリ)あらめやも」(出典:万葉集(8C後)一五・三五八三)
  4. さとり、または極楽往生の妨げとなる煩悩や罪。悪いむくいを招くような行ない。罪障(ざいしょう)
    1. [初出の実例]「謗法等の障(サハリ)咸く除滅することを得てむ」(出典:不空羂索神呪心経寛徳二年点(1045))
  5. 戦乱疫病天災などのわざわい。災害。凶事。
    1. [初出の実例]「天下少しさはりありし時」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)四)
  6. 欠陥。欠点。きず。特に、身体上の障害。また、外気に感じて病気になること。やまい。
    1. [初出の実例]「そうじて人のはだへはさはり有て昼中には見ぐるしかりきに」(出典:浮世草子・色里三所世帯(1688)上)
  7. 月経。つきやく。月のさわり。月のもの。さわりのもの。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「さはりある女は此座敷出べき事にあらず」(出典:浮世草子・好色一代女(1686)四)
  8. めあての遊女にすでに先客があるなどして会えないこと。
    1. [初出の実例]「妓不相逢(サハリ)」(出典:洒落本・史林残花(1730)芸文志)

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普及版 字通 「障」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音] ショウ(シャウ)
[字訓] ふせぐ・へだてる・ついたて

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(章)(しよう)。〔説文〕十四下に「つるなり」とあり、障壁をなすことをいう。〔左伝、定十二年〕の「保」は「堡障」の意。も声義同じ。土部十三下に「は擁(ふさ)ぐなり」とあって、これは壅塞(ようそく)することをいう。(ふ)は神の陟降する神梯の象であるから、聖域を壅ぎ衛る意である。

[訓義]
1. ふさぐ、ふせぐ、まもる、聖所をまもる。
2. へだてる、さえぎる、聖俗をわかつ。
3. さわり、さしつかえ、さまたげ。
4. ついたて。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕泥 阿布利(あぶり)/子 楊氏語抄に云ふ、子、風の屬なり 〔名義抄 サフ・サハリ・サハル・カクル・サヘ・オホフ・サマタク・ツツム・ハハカム

[語系]
tjiangは同声。は後起の字。はもと聖所を隔て、壅塞する意の字であったと思われる。

[熟語]
障囲・障翳・障潰・障害障碍障礙障隔障扞・障眼・障気・障拒障距・障禁障互・障塞・障子障墜・障扇・障阻・障・障泥・障・障壁・障壅・障
[下接語]
一障・雲障・翳障・画障・界障・巌障・業障・故障・罪障・支障・事障・守障・翠障・石障・扇障・亭障・障・陂障・藩障・万障・障・障・辺障・堡障・林障

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「障」の意味・わかりやすい解説


しょう
āvaraṇa

仏教用語。悟りを得ることを障害するもの。また,煩悩の異名。2,3,4種などに分類されるが,煩悩障と所知障の二種障が代表的である。

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