育てる(読み)ソダテル

デジタル大辞泉 「育てる」の意味・読み・例文・類語

そだ・てる【育てる】

[動タ下一][文]そだ・つ[タ下二]
手間をかけて養い成長させる。養育する。「実の子同様に―・てる」「苗を―・てる」
能力などが伸びるように教え導く。手を掛けてやったり、教え鍛えたりして、一人前として通用するまでにする。「後継者を―・てる」「選手を―・てる」

㋐小さな規模で出発した組織団体などを発展させる。「地場産業を―・てる」
㋑ある考え方・気持ちなどが伸びていくように力を尽くす。「独立心を―・てる」「夢を―・てる」
手なずける。おだてる。そそのかす。
「人に―・てられ、けしかけられ」〈浄・油地獄
養う[用法]
[類語](1はぐく養う養育する扶育する哺育ほいくする愛育する撫育ぶいくする育児子育て保育訓育守り培う育て上げる食わせる手塩に掛ける扶養養護動植物を)飼育する飼養する栽培する培養する/(2育て上げる助言教示訓示アドバイスコンサルティングカウンセリング指導導き教え手引き指南教授教育訓育教導補導ほどう善導誘掖ゆうえき鞭撻べんたつ手ほどき教習コーチ伝授する講義する講ずる仕込むたたき込む導く仕付ける教鞭を執る薫育教化教学文教育英教えるガイダンス手を取る示教指教徳育知育体育矯正薫陶入れ知恵洗脳感化徳化醇化啓発啓蒙/(3㋑)養うつちか育む涵養かんようする

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精選版 日本国語大辞典 「育てる」の意味・読み・例文・類語

そだ・てる【育】

  1. 〘 他動詞 タ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]そだ・つ 〘 他動詞 タ行下二段活用 〙
  2. 生物が一人前になるまでの過程をうまく進むように助け導く。生きものが、おいたつようにする。成長させる。養育する。転じて、物事を発展させる。進捗(しんちょく)させる。
    1. [初出の実例]「程なく産をしたれば、男子にてぞありける。母方の祖父太大夫そだてて見むとてそだてたれば」(出典:平家物語(13C前)八)
    2. 「しかし私はどうしても、〈略〉新しく愛を育てるべき心の場所を持たなかった」(出典:忘却の河(1963)〈福永武彦〉)
  3. 能力などをのばすように教え導く。しこむ。しつける。
  4. 重んじる。大事なものとして引き立てる。
    1. [初出の実例]「中略は上下をそだてて中を略することぞ、没下は上と中とをそだてて下をのくることぞ」(出典:玉塵抄(1563)一五)
  5. 相手に調子を合わせててなずける。おだてる。そそのかす。のせる。
    1. [初出の実例]「むふんべつ人のいふ事をも、いかにも尤もと先そだてて、さて又かやうにもあるべきやといへば」(出典:子孫鑑(1667か)上)

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