鳳来寺山
ほうらいじさん
愛知県新城市(しんしろし)にある山。標高695メートル。基底岩は花崗(かこう)岩類、その上に第三紀の火山活動で噴出した流紋岩、松脂(まつやに)岩、安山岩などの火山岩からなる山塊である。山頂付近は原生林、シダ類、蘚苔(せんたい)類の群落があり、ブッポウソウ(コノハズク)、モリアオガエル、ヒメハルゼミなどが生息している。中腹にある鳳来寺は利修(りしゅう)仙人の創建といわれ、江戸時代は寺領1350石を与えられた。数度の火災でわずかに残る山門と、山内にある東照宮の本殿など6棟は国の重要文化財に指定されている。門前集落は門谷(かどや)で、収集展示に特色のある鳳来寺山自然科学博物館がある。国の名勝・天然記念物に指定され、天竜奥三河(みかわ)国定公園の観光拠点である。
[伊藤郷平]
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鳳来寺山【ほうらいじさん】
愛知県新城市にある火山(名勝・天然記念物)。標高695m。流紋岩,安山岩からなるが,浸食のため火山体の原形はとどめない。中腹に鳳来寺があり,スギ,カシなどの老樹でおおわれる。小鳥の種類が多く,特に仏法僧(コノハズク)は有名。モリアオガエルの生息地。
→関連項目愛知[県]|新城[市]|天竜奥三河国定公園|鳳来[町]
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ほうらいじ‐さん【鳳来寺山】
愛知県新城市にある山。標高695メートル。鳳来寺がある。コノハズク(仏法僧)の生息地。
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ほうらいじさん【鳳来寺山】
愛知県東部,南設楽(みなみしたら)郡鳳来町にある火山。標高684m。全山が国の名勝および天然記念物に指定され,南斜面に鳳来寺がある。ソーダ流紋岩質の厚い火山噴出物からなり,ピッチストーンや黒曜石を産する。風化浸食作用を強く受けて急峻な山容をなし,もとの火山体の外形や構造はあまり残されていない。山頂付近のツガ,ヒノキ,杉やシダ類,地衣類などの植物,コノハズク(ブッポウソウ)などの鳥類の宝庫でもある。天竜奥三河国定公園の一角をなし,東海自然歩道が通り,鳳来町豊岡の湯谷(ゆや)温泉から鳳来寺山頂まで鳳来寺山パークウェー(1971完成)が通じる。
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