妙高山(読み)ミョウコウザン

デジタル大辞泉 「妙高山」の意味・読み・例文・類語

みょうこう‐ざん〔メウカウ‐〕【妙高山】

新潟県南西部にある火山。妙高連峰の主峰で、標高2454メートル。東麓に池ノ平赤倉などの温泉がある。越後富士

みょうこう‐せん〔メウカウ‐〕【妙高山】

須弥山しゅみせん

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精選版 日本国語大辞典 「妙高山」の意味・読み・例文・類語

みょうこう‐せんメウカウ‥【妙高山】

  1. ( 「妙高」は[梵語] Sumeru の訳 ) 仏教の世界観で、世界の中心にそびえ立つという高山。須彌山蘇迷盧
    1. [初出の実例]「即蘇迷盧也。蘇者妙也、迷盧者高也、故曰妙高山」(出典:秘蔵記(835頃か))
    2. [その他の文献]〔倶舎論‐一一〕

みょうこう‐ざんメウカウ‥【妙高山】

  1. 新潟県南西部にある二重式火山。赤倉山、前山などの外輪山に囲まれて中央火口丘の妙高山(二四五四メートル)がある。ふもとには豊富な温泉が湧出し、避暑地・スキー場としてにぎわう。上信越高原国立公園の一中心。

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日本歴史地名大系 「妙高山」の解説

妙高山
みようこうさん

中頸城郡南部にある二重式火山。一帯は上信越高原国立公園に属する。主峰の円形カルデラをなす中央火口丘は妙高村の南西端にあり、標高二四四五・九メートル。これをまえ山・赤倉あかくら山・三田原みたはら山・大倉おおくら山など標高二〇〇〇メートル前後の外輪山が囲む。外輪山東側に北地獄きたじごく谷と南地獄谷の火口瀬があり、それぞれ大田切おおたぎり川・白田切しろたぎり川となって東流する。妙光山・明光山・名香山・有明峰とも記される。大昔火口から噴出した岩屑や泥流は広大な美しい裾野を形成したが、雪解水で緩んだ土石流が流れ出し、昭和五三年(一九七八)新赤倉しんあかくらで死者一三人という大惨事を引起した。一年を通じてその全容を見ることはまれであるが、火口丘が高く鋭くそびえ、対照的に外輪山を形作る峰々が裾野に向かって緩やかに流れる様は神秘的で、越後富士ともよばれる。深山霊峰の偉容は古くから信仰の対象とされ、郡中の東の米山よねやま薬師(現柿崎町)に対し、南の妙高山は阿弥陀如来の浄土としてみられていた。「義経記」巻第七に直江の湊を出発した海上にて「妙観音の嶽より下したる嵐に帆引掛けて、米山を過ぎて」とある。この「妙観音」が妙高山のことといわれ、観音信仰の対象でもあった。また明応七年(一四九八)林泉りんせん(現上越市)建立の際の春日山林泉寺開堂仏事法語(「越佐史料」所収)に「鎮西妙高峯、暮景懸則接受無量寿尊之寿域」とある。

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改訂新版 世界大百科事典 「妙高山」の意味・わかりやすい解説

妙高山 (みょうこうさん)

新潟県南西部に位置する二重式火山。妙高市にある。直径約3kmの円形カルデラの中央火口丘が狭義の妙高山(2454m)で最高峰をなし,これを前山,赤倉山,三田原山,大倉山など標高1900~2300mの外輪山が囲む。外輪山の北東から南東にかけての山麓には妙高高原の名で知られる広大な緩斜面が発達するが,カルデラ壁は絶壁をなす。山頂には不完全ながら爆裂火口跡が残るが,噴火の記録はない。カルデラ内北寄りに長助池,西側に大正池の二つの火口原湖がある。外輪山東側には北地獄谷と南地獄谷の火口瀬があり,それぞれ大田切川,白田切川となって東斜面を流下している。秀麗な山容をもち〈越後富士〉とも呼ばれ,霊山として庶民の信仰の対象となってきた。東麓の標高600~1200mの間には妙高温泉郷があり,明治末期には別荘地開発も始められた。第2次大戦後はスキー場の建設が相次いだ。上信越高原国立公園に含まれる。なお,1978年5月,南地獄谷の標高1500m地点の崩壊によって土石流(推定土砂量62万m3)が発生し,新赤倉で13人の死者を出した。
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百科事典マイペディア 「妙高山」の意味・わかりやすい解説

妙高山【みょうこうざん】

新潟県南西部にある二重式火山。越後富士とも呼ばれる。標高2454mの活火山で,第三紀層を基盤とする安山岩からなる。円形カルデラ中に中央火口丘妙高山があり,東方に大田切川,白田切川の火口瀬がある。外輪山の斜面は緩傾斜をなし,裾野(すその)は牧場に利用,温泉,スキー場も多い。深山霊峰の偉容により古くから信仰され,阿弥陀如来の浄土とされた。中世以降,修験者によって登山路が開かれた。妙高戸隠連山国立公園に属する。
→関連項目池ノ平[温泉]笹ヶ峰日本百名山火打山妙高高原[町]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「妙高山」の意味・わかりやすい解説

妙高山
みょうこうさん

新潟県南西部、長野県境にある妙高火山群の主峰。標高2454メートルで妙高戸隠連山国立公園に属する。富士火山帯の北端にあたる二重式火山で、山体は輝石安山岩質溶岩からなり、円頂の中央火口丘を妙高山という。古い溶岩流から構成されるカルデラの神名(かんな)山、前山(まえやま)、赤倉山、廓岳(くるわだけ)は2000メートル級の外輪山。中央火口丘との間には狭い火口原があり、南地獄谷(みなみじごくだに)、北地獄谷などとよばれる噴気孔の活動する豊富な温泉源があり、裾野(すその)の温泉郷にはここから引き湯されている。火口原の水は東側の外輪山を破って大田切(おおたぎり)川、白田切(しろたぎり)川などの火口瀬をなし、下流は典型的な田切地形で深い峡谷をなして関川(せきかわ)に流れ込んでいる。1978年(昭和53)には白田切川上流の外輪壁が雪解け水で崩れて大土石流となり、新赤倉温泉街や別荘が倒壊し、13人の死者を出す大被害を与え、田切地形を埋積した。登山口は燕(つばめ)温泉が表口で、カルデラを越えて火打(ひうち)、焼山(やけやま)への縦走コースもある。

[山崎久雄]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「妙高山」の意味・わかりやすい解説

妙高山
みょうこうさん

新潟県南西部,富士火山帯の北端を占める妙高火山群の主峰で,活火山。標高 2454m。二重式火山(→複式火山)で,直径 3kmにも及ぶカルデラに囲まれ,その中央に溶岩円頂丘鐘状火山)の中央火口丘がある。輝石角閃石安山岩,輝石橄欖石安山岩などからなる。外輪山の東斜面は妙高高原で,スキー場。南側の笹ヶ峰は放牧に利用される。外輪山と中央火口丘の間の火口原には北地獄谷,南地獄谷などの噴気孔群や温泉が湧出し,裾野の温泉町の泉源をなしている。妙高戸隠連山国立公園に属する。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「妙高山」の解説

みょうこうざん【妙高山】

新潟の日本酒。酒名は、越後富士とも呼ばれる地元の秀峰・妙高山にちなみ命名。純米大吟醸酒、大吟醸酒、吟醸酒、純米酒、本醸造酒、普通酒がある。全国新酒鑑評会で受賞実績多数。原料米は山田錦、越淡麗、雪の精など。仕込み水は妙高山系の伏流水。蔵元の「妙高酒造」は文化12年(1815)創業。所在地は上越市南本町。

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事典 日本の地域遺産 「妙高山」の解説

妙高山

(新潟県妙高市)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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事典・日本の観光資源 「妙高山」の解説

妙高山

(新潟県)
日本百名山」指定の観光名所。

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デジタル大辞泉プラス 「妙高山」の解説

妙高山

新潟県、妙高酒造株式会社の製造する日本酒。全国新酒鑑評会で金賞の受賞歴がある。

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世界大百科事典(旧版)内の妙高山の言及

【須弥山】より

…単にメールMeruとも呼ばれる。〈妙高山〉と意訳される。仏教的宇宙観によると,虚空(こくう)に風輪(ふうりん)という風(空気)の巨大な円筒が浮かんでいる。…

【弥山】より

…なかでも厳島の弥山は,今日では厳島神社の信仰に圧倒されてその影が薄くなっているが,本来は神の島とされた厳島の中心的な存在であった。また新潟県と長野県の境にある妙高山(みようこうさん)も,古くは名香山と呼ばれていたものが,須弥山の影響によって妙高山と呼ばれるようになったという。山岳を世界の中心とする考え方はキリスト教のゴルゴタの丘,イスラムのカーフ山などにもうかがうことができる。…

※「妙高山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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