中頸城郡南部にある二重式火山。一帯は上信越高原国立公園に属する。主峰の円形カルデラをなす中央火口丘は妙高村の南西端にあり、標高二四四五・九メートル。これを
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新潟県南西部に位置する二重式火山。妙高市にある。直径約3kmの円形カルデラの中央火口丘が狭義の妙高山(2454m)で最高峰をなし,これを前山,赤倉山,三田原山,大倉山など標高1900~2300mの外輪山が囲む。外輪山の北東から南東にかけての山麓には妙高高原の名で知られる広大な緩斜面が発達するが,カルデラ壁は絶壁をなす。山頂には不完全ながら爆裂火口跡が残るが,噴火の記録はない。カルデラ内北寄りに長助池,西側に大正池の二つの火口原湖がある。外輪山東側には北地獄谷と南地獄谷の火口瀬があり,それぞれ大田切川,白田切川となって東斜面を流下している。秀麗な山容をもち〈越後富士〉とも呼ばれ,霊山として庶民の信仰の対象となってきた。東麓の標高600~1200mの間には妙高温泉郷があり,明治末期には別荘地開発も始められた。第2次大戦後はスキー場の建設が相次いだ。上信越高原国立公園に含まれる。なお,1978年5月,南地獄谷の標高1500m地点の崩壊によって土石流(推定土砂量62万m3)が発生し,新赤倉で13人の死者を出した。
執筆者:中村 三郎
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新潟県南西部、長野県境にある妙高火山群の主峰。標高2454メートルで妙高戸隠連山国立公園に属する。富士火山帯の北端にあたる二重式火山で、山体は輝石安山岩質溶岩からなり、円頂の中央火口丘を妙高山という。古い溶岩流から構成されるカルデラの神名(かんな)山、前山(まえやま)、赤倉山、廓岳(くるわだけ)は2000メートル級の外輪山。中央火口丘との間には狭い火口原があり、南地獄谷(みなみじごくだに)、北地獄谷などとよばれる噴気孔の活動する豊富な温泉源があり、裾野(すその)の温泉郷にはここから引き湯されている。火口原の水は東側の外輪山を破って大田切(おおたぎり)川、白田切(しろたぎり)川などの火口瀬をなし、下流は典型的な田切地形で深い峡谷をなして関川(せきかわ)に流れ込んでいる。1978年(昭和53)には白田切川上流の外輪壁が雪解け水で崩れて大土石流となり、新赤倉温泉街や別荘が倒壊し、13人の死者を出す大被害を与え、田切地形を埋積した。登山口は燕(つばめ)温泉が表口で、カルデラを越えて火打(ひうち)、焼山(やけやま)への縦走コースもある。
[山崎久雄]
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…単にメールMeruとも呼ばれる。〈妙高山〉と意訳される。仏教的宇宙観によると,虚空(こくう)に風輪(ふうりん)という風(空気)の巨大な円筒が浮かんでいる。…
…なかでも厳島の弥山は,今日では厳島神社の信仰に圧倒されてその影が薄くなっているが,本来は神の島とされた厳島の中心的な存在であった。また新潟県と長野県の境にある妙高山(みようこうさん)も,古くは名香山と呼ばれていたものが,須弥山の影響によって妙高山と呼ばれるようになったという。山岳を世界の中心とする考え方はキリスト教のゴルゴタの丘,イスラムのカーフ山などにもうかがうことができる。…
※「妙高山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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