出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
女性性器からの分泌物のことで,いわゆる〈おりもの〉のことであるが,通常この分泌物が異常に増加し,外陰部を湿潤にし,不快感(帯下感)を感ずるようになったとき,これを帯下または〈こしけ〉という。帯下感は個人差が大きく,実際の帯下の量とは必ずしも一致せず,神経質な婦人は多く感ずる。
帯下には,排卵時や妊娠時にみられる生理的なものと,病的なものとがある。病的帯下の原因としてはその約80%がトリコモナス症,カンジダ症で,その他,炎症あるいは腫瘍,腟内異物などがある。トリコモナスやカンジダ菌系は,スライドグラスの上に生理食塩水を1滴たらし,それに少量の分泌物を浮遊させて,顕微鏡下で容易に検出することができる。また,カンジダは水野=高田培地などの簡易診断培地でも検出することが可能である。
帯下の成分は剝脱(はくだつ)した腟粘膜上皮細胞,白血球,細菌,粘液などで,正常ではpH4.8~5.0の弱酸性で,無臭ないし軽度の酸臭を有するが,病的帯下では弱酸性,中性,アルカリ性で,トリコモナス,カンジダ,嫌気性菌,ブドウ球菌,多量の白血球を含む。程度によって白帯下,黄帯下,血性帯下に分ける。白帯下は無色透明ないし白色,淡黄白色のものであり,黄帯下は膿性のために黄色が強くなったもので,細菌と白血球が多く,炎症性の場合に多い。血性帯下は血膿の少量混入したものであり,子宮頸癌では肉汁様の帯下で,強い腐敗臭を発することがある。
帯下は,部位によって,外陰,腟,子宮帯下に分けられる。卵管帯下はまれである。腟は,その自浄作用(腟自浄作用)で正常に保たれているが,病的な場合には自浄作用が障害されて腟清浄度が低くなっている。
トリコモナス症,カンジダ症による病的帯下の治療には,抗トリコモナス剤,抗真菌剤を用いるが,両者とも再発しやすい。とくにカンジダ症は妊婦や糖尿病患者に発生しやすい。
執筆者:加藤 順三
→帯下(たいげ)
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…小児期や老年期には接触皮膚炎や細菌性炎症が多く,性成熟期にはカンジダ症や上記の性行為感染症などが増加する。疾患により症状がかなり異なるが,一般に局所の発赤,腫張,熱感,搔痒(そうよう)感を訴え,腟炎と合併していることが多く帯下が増量する。治療は,局所を安静にし,刺激を避けて清潔を保つことのほか,原因に対する治療を行う。…
…病原菌としては一般の化膿菌や淋菌が主である。黄色膿様あるいは白色の頑固な帯下の増加をきたす。治療としては,細菌検査を行い抗生物質の局所ならびに全身投与を行う。…
…女性性器からの分泌物のことで,いわゆる〈おりもの〉のことであるが,通常この分泌物が異常に増加し,外陰部を湿潤にし,不快感(帯下感)を感ずるようになったとき,これを帯下または〈こしけ〉という。帯下感は個人差が大きく,実際の帯下の量とは必ずしも一致せず,神経質な婦人は多く感ずる。…
※「帯下」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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