愛着(読み)アイチャク

デジタル大辞泉 「愛着」の意味・読み・例文・類語

あい‐ちゃく【愛着】

[名](スル)なれ親しんだものに深く心が引かれること。あいじゃく。「愛着がわく」「愛着を深める」「古いしきたりに愛着する」
[類語]愛情情愛情けじょう情合い情味人情人情味温情恩情厚情思いやりいつくしみ慈愛仁愛仁恵仁慈仁心じん慈悲あわれみ哀憐同情

あい‐じゃく〔‐ヂヤク〕【愛着/愛著】

仏語欲望にとらわれて離れられないこと。愛執あいしゅう
あいちゃく(愛着)」に同じ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「愛着」の意味・読み・例文・類語

あい‐じゃく‥ヂャク【愛着・愛著】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。愛情に執着すること。人や物に心がとらわれて、どうしても思い切れないこと。愛染。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
    1. [初出の実例]「まことに愛著の道、その根ふかく、源とほし」(出典:徒然草(1331頃)九)
    2. [その他の文献]〔六十華厳経‐二五〕
  3. あいちゃく(愛着)

愛着の補助注記

元来は、の意で、仏道の障害となるものとされた。読みも呉音によるアイヂャクが本来で「チャク(着)」が連濁によって濁るとするのは誤り。漢音読みのアイチャクは、明治に入ってから多くなる。


あい‐ちゃく【愛着】

  1. 〘 名詞 〙 自分関係があるものに心がひかれること。あいじゃく。
    1. [初出の実例]「愛著 アイチャク キニイリキッタ」(出典:広益熟字典(1874)〈湯浅忠良〉)
    2. 「彼女自身はそんなものに今では大した愛着もないのであるから」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉六)

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世界大百科事典(旧版)内の愛着の言及

【育児】より

…ボウルビーは,母と子が愛情のきずなで結ばれていることが,その子どもの自己への信頼,ひいては他者への信頼を育てることになり,円満な社会生活を営むことのできる人格形成につながる,という。子が母に対して抱く愛情のきずなを,ボウルビーは愛着(アタッチメントattachment)と呼んでいる。クラウス,ケネルらは,愛着の形成には,出生直後における母子の皮膚接触や母乳哺育が大切としている。…

※「愛着」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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