思い遣り(読み)オモイヤリ

デジタル大辞泉 「思い遣り」の意味・読み・例文・類語

おもい‐やり〔おもひ‐〕【思い遣り】

他人身の上心情に心を配ること。また、その気持ち。同情。「思い遣りのある処置」「病人に対する思い遣りがない」
想像推察
奥山の―だに悲しきにまたあま雲のかかるなになり」〈かげろふ・上〉
思慮分別
「ことに責むれば、若き人の―少なきにや」〈堤・花桜をる少将
[類語]同情あわれみ愛情愛着情けじょう情合い情愛情味人情人情味温情恩情厚情いつくしみ慈愛仁愛仁恵仁慈仁心じん慈悲哀憐人らしい人間臭い人間的人間味人間らしい人間性ヒューマニティーヒューマニスティック勿体もったい無い有り難い恐れ多いかたじけないうれしい恐縮幸甚謝る謝するわびわび言平謝り陳謝謝罪多謝わびる恐懼きょうく恐れ入る痛み入る心苦しい身に余る過分かしこまる畏れる謹むしゃちほこばる固くなる縮こまる小さくなるまじめ腐る身の縮む思い畏怖恩義恩に着る頭を下げる腰をかがめる平身低頭身に過ぎる三拝九拝深謝感謝拝謝万謝謝意謝恩感佩かんぱいかしこくも感恩有り難がる言葉に甘えるお言葉に甘える厚意多とする感極まる感じ入る感に堪えない身に染みる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「思い遣り」の意味・読み・例文・類語

おもい‐やりおもひ‥【思遣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 推察。想像。思慮分別
    1. [初出の実例]「奥山の思ひやりだに悲しきにまたあまぐものかかるなになり」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
    2. 「上もきこしめして『いと思ひやり深くあらがひたる』など」(出典:枕草子(10C終)八七)
  3. 人の身の上や立場、心情などについての察し。察していたわりの気持をもつこと。また、その気持。
    1. [初出の実例]「おのが心本性立腹に侍りて、思ひやりなく物いふ事もなん侍るを」(出典:落窪物語(10C後)三)
    2. 「わりなの、人に恨みられ給ふ御よはひや。おもひやり少なう、御心のままならむもことはり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)末摘花)

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