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罪穢(つみけがれ)や災厄を除くための行事。「ハライ」ともいう。日本古来の宗教思想である神道(しんとう)は、汚穢(おえ)を忌み、清浄をもっとも貴ぶ観念が強く、そのために祓が重んじられる。祓の起源は伊弉諾尊(いざなぎのみこと)が、黄泉(よみ)の国(キタナキ国)の穢(けがれ)を筑紫(つくし)の日向(ひむか)の橘(たちばな)の小戸(おど)の檍原(あはぎはら)において禊祓(みそぎはらえ)をなされたのに始まる。祓の方法には、水を用いる禊(みそぎ)と、祓麻(はらえぬさ)にて祓う方法とに二大別される。いずれも罪穢を、地下の世界である根(ね)の国、底(そこ)の国に追いやるのである。いやなことをば水に流すというのは祓の思想による。神道では神前に参拝するに先だって、かならず祓を行い、これを修祓(しゅばつ)という。祓詞(はらえことば)を奏し、祓麻にて祓を修するのである。また、大祓(おおはらえ)といって、定期的に6、12月の晦日(みそか)と、臨時には罪穢にあったときに行う祓がある。6月晦日の大祓を名越(なごし)(夏越(なごし))の祓という。大祓には人形(ひとがた)や茅(ち)の輪(わ)などが用いられることがある。このほか、巳日(みのひの)祓、万度(まんど)祓、六根清浄(ろっこんしょうじょう)祓、その他がある。
[沼部春友]
解除とも書き,古く〈はらひ〉または〈はらへ〉という。宗教的な罪や穢(けがれ)を除いて身心を清める方法の一つ。〈はらひ〉は他動詞〈はらふ〉四段活用,〈はらへ〉は同下二段活用の共に連用形が名詞化したもので,前者は自分で祓い,後者は他人に祓わせる意味をもつ。一般に塵や埃を拭き払うように紙や麻の祓麻(はらいぬさ)で振り払う清めの所作をいうが,とくに罪や過ちに対する制裁として償い物(祓柱(はらえつもの))を科すこともあり,また禊祓(みそぎはらい)(禊)として水で身を清める方法を伴う場合もある。神事にあたって身心を清めるのを吉解除(よしはらえ),刑罰を科すことを悪解除(あしはらえ)とし,また6月と12月の晦日と大災厄の際とに大祓(おおはらえ)を執行する。
執筆者:薗田 稔
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「はらい」とも。罪・穢(けがれ)などを身から除き,清める儀式。記紀神話にみられる伊奘諾(いざなき)尊が黄泉(よみ)の国の穢を檍原(あはぎはら)で祓ったものと,素戔嗚(すさのお)尊が悪業の代償として,千座置戸(ちくらのおきど)を科されたときに天児屋根(あめのこやね)命が祓詞を宣したのが起源と伝えられ,記紀神話成立段階には実際に行われていた。穢には罪穢と汚穢があるが,当時はその区別が判然としていなかったためともに祓によって清め,はじめは解除(げじょ)の語も用いられた。大祓は,国家全体の穢を祓うために行われ,やがて6・12月晦日の年2回に固定され,大嘗(だいじょう)祭・新嘗(にいなめ)祭・斎宮卜定(ぼくじょう)など国の重要な祭事には必須のものとされた。しだいに私的な場でも行われるようになり,祓の儀も多様性を増した。
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…宗教的な罪や穢(けがれ)を除いて身心を清める方法の一つ。〈はらひ〉は他動詞〈はらふ〉四段活用,〈はらへ〉は同下二段活用の共に連用形が名詞化したもので,前者は自分で祓い,後者は他人に祓わせる意味をもつ。一般に塵や埃を拭き払うように紙や麻の祓麻(はらいぬさ)で振り払う清めの所作をいうが,とくに罪や過ちに対する制裁として償い物(祓柱(はらえつもの))を科すこともあり,また禊祓(みそぎはらい)(禊)として水で身を清める方法を伴う場合もある。…
…炭層に到達すると,ここから石炭の中を炭層に沿って沿層坑道を展開して採炭の準備が完了する。採掘された石炭は,いまと逆に,それぞれの払い(採炭切羽のこと)から沿層坑道→目貫坑道→片盤坑道→おろし斜坑を通って運ばれる。 最近の炭鉱では石炭の運搬にベルトコンベヤを用いることが多いが,そのために,斜坑の傾斜がベルトコンベヤの運搬可能範囲である20度程度以下に抑えられることがある。…
… 立坑や斜坑によって炭層に到達すると,坑内に坑道を展開して採炭の準備が行われるが,これにもいくつかの考え方がある。(a)沿層坑道方式と岩盤坑道方式 沿層坑道方式は石炭層の中に主要坑道を掘削して採掘を行う方式で,〈払い〉(切羽,採掘場のこと)作りが簡単で,そのための投資が少なくて済み,直ちに出炭ができる。しかし,坑道が石炭層の中にあるため,坑道を安定に維持することが困難で,運搬や通気(坑内に新鮮な空気を供給し,汚れた空気を排出する作業)に当たって,いろいろな障害が生ずる。…
※「祓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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