自律(読み)ジリツ

デジタル大辞泉 「自律」の意味・読み・例文・類語

じ‐りつ【自律】

他からの支配制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。「自律精神を養う」⇔他律
カント道徳哲学で、感性の自然的欲望などに拘束されず、自ら意志によって普遍的道徳法則を立て、これに従うこと。⇔他律
[類語]独立自立自決自主自助一本立ち独り立ち独り歩き自粛自重自戒自制禁欲控える差し控える憚る

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精選版 日本国語大辞典 「自律」の意味・読み・例文・類語

じ‐りつ【自律】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分で自分の行ないを規制すること。外部からの力にしばられないで、自分の立てた規範に従って行動すること。
    1. [初出の実例]「正しい理解と協同、自主及び自律の精神を養うこと」(出典:学校教育法(1947)一八)
    2. [その他の文献]〔孔子家語‐終記解〕
  3. カントの倫理学根本原理の一つ。実践理性が、欲望に動かされることなく、みずから普遍的道徳法則を立て、それによって自分の意志を規定すること。⇔他律
  4. 社会学で、ある社会制度が、他からの制約を受けずに独立した運営を行なっていくこと。

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普及版 字通 「自律」の読み・字形・画数・意味

【自律】じりつ

自ら規範としてのっとる。〔左伝、哀十六年〕(けいけい)として、余は疚(うれ)ひに在り。嗚呼(ああ)、哀しい哉(かな)尼(ぢほ)(孔子)、自ら律(のっと)る無し。

字通「自」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の自律の言及

【自治】より

…自治には,個人の自治,集団の自治,地域社会の自治(地方自治)があり,それぞれ問題状況を異にするが,自治に共通するものは自律autonomyと自己統治self‐governmentの結合である。個人が他者の統制にしばられずにみずからの規範,準則,目的といった規準を定立し,みずからの意見がみずからの行為を律する余地があるとき,そこに個人の自律ないし自治があるという。…

【地方自治】より

…地方自治とは地域社会の自治のことであり,個人の自治,集団の自治と同様に,自律autonomyと自己統治self‐governmentとの結合形態である。すなわち,ある地域社会がこれを包括する国民国家の主権との関係において一定の自律性を有するとき,その地域社会には団体自治があるという。…

※「自律」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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