ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカコッコ」の意味・わかりやすい解説
アカコッコ
Turdus celaenops; Izu thrush
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スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約23cm。雄は頭と胸が黒く,腹と脇は濃いキツネ色。雌は黒い羽毛がほとんどなく,雄よりも全体に淡い羽色をしているが,頭と胸が黒いものも少数いる。伊豆諸島の大島から青ヶ島にかけての各島に生息しており,大島以外では繁殖もしている。照葉樹林や二次林にすみ,地上をピョンピョンはねながら,ミミズや昆虫を探し出して食べる。また,タブノキ,イボタノキ,クワなどの木の実がなる季節には,樹上でそれらもとって食べる。一年を通じて群れになることはほとんどなく,1~2羽で暮らしていることが多い。4~6月ごろに,樹上でギョロロー,ギョロロー,チッとじみな声でさえずる。ただし,この時期でも,よくさえずるのは早朝の短い時間に限られている。わん形の巣を枝上,樹洞内や地上につくる。産卵期は4~6月で,1腹の卵数は3~5個。国の天然記念物。
→ツグミ
執筆者:樋口 広芳
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
鳥綱スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。日本特産種。伊豆諸島の利(と)島、新(にい)島、式根島、神津(こうづ)島、三宅(みやけ)島、御蔵(みくら)島、八丈島、青ヶ島で繁殖し、越冬する。海岸から山頂の林まで、植生の違いにかかわりなく、数多く生息している。形態、生態ともに近縁のアカハラによく似ているが、色がより濃く、目の周囲には細い黄色の輪がある。全長約23センチメートル。地上を跳ね歩きながら落葉を足でかいて、下に潜む昆虫などをついばむことが多い。木の実もよく食べる。タケやハマアジサイなどの枝上に巣をかけ、3~4個の卵を産む。
[竹下信雄]
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