アカコッコ(その他表記)Turdus celaenops; Izu thrush

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アカコッコ」の意味・わかりやすい解説

アカコッコ
Turdus celaenops; Izu thrush

スズメ目ツグミ科。全長 23cm。雄は頭部と胸が黒く,腹は脇が赤褐色で,中央が白い。雌は全体に雄より淡色体形羽色は本州中部以北に繁殖分布しているアカハラに似ているが,体の各部位の色が濃い。日本固有種で,伊豆諸島島々利島新島式根島神津島三宅島御蔵島八丈島青ヶ島)で繁殖し,冬季大島伊豆半島にも出現する。1988年に鹿児島県の吐噶喇列島でも繁殖が確認されている。おもに広葉樹林や低木林に営巣する。1975年に国の天然記念物に指定された。

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関連語 全島 果実 樋口

改訂新版 世界大百科事典 「アカコッコ」の意味・わかりやすい解説

アカコッコ
Izu island thrush
Turdus celaenops

スズメ目ヒタキ科の鳥。全長約23cm。雄は頭と胸が黒く,腹と脇は濃いキツネ色。雌は黒い羽毛がほとんどなく,雄よりも全体に淡い羽色をしているが,頭と胸が黒いものも少数いる。伊豆諸島の大島から青ヶ島にかけての各島に生息しており,大島以外では繁殖もしている。照葉樹林や二次林にすみ,地上をピョンピョンはねながら,ミミズ昆虫を探し出して食べる。また,タブノキイボタノキクワなどの木の実がなる季節には,樹上でそれらもとって食べる。一年を通じて群れになることはほとんどなく,1~2羽で暮らしていることが多い。4~6月ごろに,樹上でギョロロー,ギョロロー,チッとじみな声でさえずる。ただし,この時期でも,よくさえずるのは早朝の短い時間に限られている。わん形の巣を枝上,樹洞内や地上につくる。産卵期は4~6月で,1腹の卵数は3~5個。国の天然記念物。
ツグミ
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アカコッコ」の意味・わかりやすい解説

アカコッコ
あかこっこ
Seven Islands thrush
[学] Turdus celaenops

鳥綱スズメ目ヒタキ科ツグミ亜科の鳥。日本特産種。伊豆諸島の利(と)島、新(にい)島、式根島、神津(こうづ)島、三宅(みやけ)島、御蔵(みくら)島、八丈島、青ヶ島で繁殖し、越冬する。海岸から山頂の林まで、植生の違いにかかわりなく、数多く生息している。形態、生態ともに近縁のアカハラによく似ているが、色がより濃く、目の周囲には細い黄色の輪がある。全長約23センチメートル。地上を跳ね歩きながら落葉を足でかいて、下に潜む昆虫などをついばむことが多い。木の実もよく食べる。タケやハマアジサイなどの枝上に巣をかけ、3~4個の卵を産む。

[竹下信雄]

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小学館の図鑑NEO[新版]鳥 「アカコッコ」の解説

アカコッコ
学名:Turdus celaenops

種名 / アカコッコ
目名科名 / ヒタキ科
解説 / 日本固有種。伊豆諸島の三宅島などに多く生息します。林や人家の庭でも繁殖します。
全長 / 23cm
食物 / 昆虫、種子
分布 / 伊豆諸島、鹿児島県トカラ列島にすむ留鳥
環境 / 森林
鳴声 / キョローン、キョローン、チュリー
絶滅危惧種 / ★
天然記念物 / ◎

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百科事典マイペディア 「アカコッコ」の意味・わかりやすい解説

アカコッコ

ヒタキ科の鳥。翼長12cm。伊豆七島とトカラ列島のみにすむ固有種。全島の林に一年中見られる。低い枝上に皿形の巣を作り,ミミズ,昆虫および果実を食べる。天然記念物。絶滅危惧IB類(環境省第4次レッドリスト)。

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