ゴッツィ(読み)ごっつぃ(英語表記)Gasparo Gozzi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴッツィ」の意味・わかりやすい解説

ゴッツィ(Carlo Gozzi)
ごっつぃ
Carlo Gozzi
(1720―1806)

イタリア劇作家ベネチア貴族に生まれ、伝統文化の擁護者として、啓蒙(けいもう)主義による革新派との論争生涯を終始する。ゴルドーニ劇の新しい市民的リアリズムを排撃し、イタリア古典喜劇の手法を踏襲。彼の空想的寓話(ぐうわ)劇は当時の保守的観客を魅了し、国外でも大きな反響をよんだ。『三つのオレンジへの恋』『烏(からす)』(ともに1761)、『トゥランドット姫』(1762)、『緑の小鳥』(1765)などが知られる。

[里居正美]


ゴッツィ(Gasparo Gozzi)
ごっつぃ
Gasparo Gozzi
(1713―1786)

イタリアの批評家、劇作家。カルロ・ゴッツィの兄。モラリスト風の評論『説教集』(1763)、イタリア散文の範とされる『書簡集』(1750)および『ダンテ擁護』(1758)で著名。演劇興味を示し、ギリシア悲劇およびほぼすべてのモリエール劇の翻訳上演を手がける。同時代の演劇については自身創設の新聞に良識ある劇評を書き、ゴルドーニを高く評価し、弟カルロの寓話(ぐうわ)劇には懐疑的態度をとった。

[里居正美]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴッツィ」の意味・わかりやすい解説

ゴッツィ
Gozzi, Carlo

[生]1720.12.13. ベネチア
[没]1806.4.4. ベネチア
イタリアの劇作家。兄 G.ゴッツィとともに 1747年にグラネッレスキ・アカデミアを創設。伝統性を重んじて,ゴルドーニの新しい演劇と鋭く対立した。代表作『美しい緑の小鳥』L'augellin bel verde (1765) 。

ゴッツィ
Gozzi, Gasparo

[生]1713.12.4. ベネチア
[没]1786.12.26. パドバ
イタリアの詩人,劇作家。弟 C.ゴッツィと 1747年にグラネッレスキ・アカデミアを創設。『愉快な詩集』 Rime piacevoli (1751) のほか,ダンテの『神曲』に対する興味を復活させた風刺詩『ダンテの擁護』 Difesa di Dante (58) などがある。

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