ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シラコバト」の意味・わかりやすい解説
シラコバト
Streptopelia decaocto; Eurasian collared dove
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ハト目ハト科の鳥。ヨーロッパからインド,中国,朝鮮半島まで分布している。日本では関東平野の埼玉県を中心に茨城県,栃木県,千葉県,東京都の一部に限って生息する。〈越谷のシラコバト〉として国の天然記念物で,埼玉県の県鳥。全長約33cm。全身淡い灰褐色で,後頸(こうけい)によく目だつ黒帯がある。尾は両側が白く,下から見ると先のほう半分ほどが白い。くちばしは黒く,脚は赤い。ポーポーポポーと静かなおとなしい声で鳴く。農耕地や屋敷林などが散在する場所にすみ,樹上に小枝を集めて皿形の巣をつくる。卵は白色で1腹2個,抱卵期間は14~16日。最近は人工建築物に営巣する例も知られている。植物の果実や種子など,おもに植物を食べる。
執筆者:柳沢 紀夫
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鳥綱ハト目ハト科の鳥。東は日本、中国から、西はイギリスも含めてヨーロッパ全土まで、広く分布している。もともとは、中央アジア、それに中近東からミャンマー(ビルマ)にかけて分布していたらしいが、人間の東西の交流が盛んになるにつれて、分布が拡大した。アジア産のキジバト、ヨーロッパ産のコキジバトと同じように耕地や村落に多く、地上で草の種子や木の実を食べる習性があり、人家近くのこぼれた穀物を食べることによって分布が拡大したと思われる。ヨーロッパでは1920年代以降、北西へ分布を広げ数も増えたが、日本では江戸時代に鷹狩(たかがり)用の猛禽(もうきん)の餌(えさ)として輸入されたものが野生化したと推定される系統が、埼玉県越谷(こしがや)市を中心にすんでいるだけであり、国の天然記念物に指定されて保護されている。全長約27センチメートル、全身灰色であるが、風切(かざきり)と尾の基部が黒い。樹上に巣をつくり、2卵を産む。気候がよければ、3月から9月過ぎまで何度も繁殖する。
[竹下信雄]
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…カンムリバト亜科はニューギニア地方特産で,カンムリバト属Gouraの3種だけからなり,オオハシバト亜科はサモア島特産のオオハシバト1種だけを含む。 日本にはカラスバトColumba janthina,リュウキュウカラスバトC.jouyi,オガサワラカラスバトC.versicolor,シラコバトStreptopelia decaocto(イラスト),ベニバトS.tranquebarica,キジバトS.orientalis(イラスト),キンバトChalcophaps indica,アオバトSphenurus sieboldii,ズアカアオバトS.formosaeの9種が分布するが,小笠原諸島特産のオガサワラカラスバトと琉球諸島特産のリュウキュウカラスバトは絶滅した。これらによく似たカラスバトは伊豆諸島や西南日本の離島に分布し,全身光沢を帯びた紫黒色の大型のハトである。…
※「シラコバト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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