ニセコアンヌプリ(読み)にせこあんぬぷり

デジタル大辞泉 「ニセコアンヌプリ」の意味・読み・例文・類語

ニセコアンヌプリ

北海道南西部、ニセコ・倶知安町境にある、ニセコアンヌプリ火山群の主峰標高1308メートル。スキー場温泉がある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ニセコアンヌプリ」の意味・読み・例文・類語

ニセコアンヌプリ

  1. 北海道南西部、ニセコアンヌプリ火山群の主峰。標高一三〇八メートル。スキー場として知られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「ニセコアンヌプリ」の解説

ニセコアンヌプリ
にせこあんぬぷり

虻田あぶた倶知安くつちやん町と同郡ニセコ町の境にある山。ニセコアンヌプリ火山群の主峰で、標高一三〇八・五メートル。北西イワオヌプリ(硫黄山、一一一六メートル)ニトヌプリ(一〇八〇メートル)、南西にモイワ山(八三九・一メートル)などがある。山名は西麓を流れる尻別しりべつ川支流のニセコアンベツ川に由来するとされ、明治六年(一八七三)の「後志国地誌提要」にニセコハノホリ山とみえる。西部に近世から知られた岩雄登硫黄いわおぬぷりいおう鉱山(昭和一二年閉山)があり、跡地に五色ごしき温泉などが開業した。山頂部に第二次世界大戦中、北海道帝国大学中谷宇吉郎らによって軍用飛行機の着氷実験などを行った観測所の跡があり、記念碑が建つ。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ニセコアンヌプリ」の意味・わかりやすい解説

ニセコアンヌプリ

北海道南西部,後志(しりべし)支庁にある成層火山。標高1308m。第四紀更新世の中期から末期にかけて形成された基底直径15kmに及ぶニセコ火山群の主峰。西方には2峰の溶岩円頂丘からなるイワオヌプリ(硫黄山。1118m)やニトヌプリ(1083m),チセヌプリ(1135m)の円頂丘が連なる。ニセコアンヌプリの中腹はハイマツ帯,上部はササと高山植物帯となっている。日本海に近いため季節風の影響を直接受け,山麓積雪が2mをこえる多雪地帯となっている。第2次大戦前から山スキーが盛んで,1961年に西麓にひらふスキー場が開かれ,現在は全国有数の長大な樹間コースをもつ七つのスキー場がある。雪質がよく,滑走期間も長く,本州方面からのスキー客も多い。南麓には温泉が多数湧出し,チセヌプリの北には大沼,長沼,神仙沼,大谷地などの湖沼湿原もある。

ニセコ火山群の山麓一帯の温泉の総称で,俱知安(くつちやん),ニセコ,蘭越(らんこし)の3町にまたがる。火山群の溶岩円頂丘近くには,東西に五色(別称,ニセコ五色。純食塩泉,80℃),湯本(純食塩泉,76℃),新見(にいみ)(正苦味泉,70℃)の温泉が分布し,山麓中部には山田(別称,比羅夫(ひらふ)。単純硫黄泉,45℃),昆布(純食塩泉,42~53℃),薬師(純食塩泉,42℃)が,尻別川河畔には昆布川(純食塩泉,42℃)の温泉がある。湯本温泉は1885年の開湯であるが,そのほかは1900年以降の開設で,戦前はニシン漁や農業の休閑期の湯治場にすぎなかった。58年に国民温泉に指定され,ニセコアンヌプリを半周する観光道路の完成や山麓のスキー場の開設が相次ぎ,各温泉とも温泉街の整備が進んだ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニセコアンヌプリ」の意味・わかりやすい解説

ニセコアンヌプリ

北海道南西部にある火山。標高 1308m。洞爺湖の北西に位置する。山岳名はアイヌ語で「峡谷に寄りかかる山」の意。輝石安山岩からなる溶岩円頂丘(鐘状火山)。夏季は頂上付近に 100種以上の高山植物が見られ,冬季はスキー場となる。山麓には五色温泉,昆布温泉,山田温泉などが湧く。北方にイワオヌプリワイスホルン,西方にニトヌプリチセヌプリの 1000m以上の峰がそびえる。これらはニセコ火山群と呼ばれ,気象庁が定義する活火山に指定されている。ニセコ積丹小樽海岸国定公園の主要区域をなす。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニセコアンヌプリ」の意味・わかりやすい解説

ニセコアンヌプリ
にせこあんぬぷり

北海道南西部、後志(しりべし)総合振興局管内のニセコ町と倶知安町(くっちゃんちょう)との境界にある山。ニセコアンヌプリ火山群の主峰で、標高1308メートル。尻別(しりべつ)川を挟んで東の羊蹄(ようてい)山と相対す。山名はアイヌ語のニセイコアン・ヌプリ(断崖(だんがい)に向かってある山)の意。更新世(洪積世)中期に形成されたもので、輝石安山岩の溶岩、砕屑(さいせつ)物からなる。標高700~800メートルの所は台地状の溶岩流堆積(たいせき)面となっている。山腹はハイマツ、その上はササで覆われ、高山植物も多い。冬は積雪量が多く、スキーのメッカとして有名。付近にはニセコアンヌプリ、ニセコ国際ひらふなどのスキー場があり、東洋のサン・モリッツと称される。夏は登山やハイキングなどでにぎわい、東麓(とうろく)にひらふ温泉、西麓にニセコ五色温泉(にせこごしきおんせん)がある。ニセコ積丹小樽(しゃこたんおたる)海岸国定公園域。

[瀬川秀良]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

百科事典マイペディア 「ニセコアンヌプリ」の意味・わかりやすい解説

ニセコアンヌプリ

北海道南西部,倶知安(くっちゃん)町西部にある成層火山で,活火山であるニセコ火山の主峰。標高1308m。西側にはチセヌプリ,雷電山などがそびえる。中腹には温泉郷があり,ニセコ積丹(しゃこたん)小樽海岸国定公園に属し,スキー場として名高い。
→関連項目倶知安[町]ニセコ[町]

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android