デジタル大辞泉
「懐」の意味・読み・例文・類語
ほほ【▽懐】
ふところ。懐中。
「文を受け取り―に入れ」〈仮・竹斎・上〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ふところ【懐】
- 〘 名詞 〙
- ① 着物と胸とのあいだ。懐中。ふつころ。
- [初出の実例]「密(しのひ)て懐中(フトコロのうち)の糒(かれいひ)を食(くら)ふ」(出典:日本書紀(720)允恭七年一二月(北野本訓))
- ② 比喩的に、あたたかく迎え入れてくれる所、情をかけ庇護してくれる所の意。膝下。
- [初出の実例]「童なる君のとのの御ふところはなれ給はぬぞ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)月の宴)
- ③ =ふところご(懐子)[ 一 ]
- [初出の実例]「そこをば、ふところといふばかりにほしたて奉りしかば」(出典:宇津保物語(970‐999頃)蔵開下)
- ④ 相撲などで、前に出した両腕と胸とで作られる空間。「ふところが深い」
- ⑤ 物などに囲まれて奥深くなったところ。
- [初出の実例]「山のふところより出で来たる人々のかたほなるは」(出典:源氏物語(1001‐14頃)蜻蛉)
- ⑥ 内部。内幕。また、心の中。考え。了簡。
- [初出の実例]「問ずがたりに此所の太夫たちの懐をうちあけていへり」(出典:浮世草子・色里三所世帯(1688)下)
- ⑦ 所持金。財産。また、それらの都合。金回り。
- [初出の実例]「なまいちまいといはぬところはよほどあやしいふところと見へたり」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉六)
- ⑧ 鼓の胴の乳袋(ちちぶくろ)の内部。
- ⑨ 浄瑠璃語りなどが語る際に、声に力を込めやすくするために下腹あたりに入れる、小石を詰めた枕のようなもの。ちからまくら。
かいクヮイ【懐】
- 〘 名詞 〙
- ① ふところ。
- ② 心の内。思いや考え。「懐を述べる」
- [初出の実例]「茶山の事は蘭軒の懐(クヮイ)に往来してゐたと見えて」(出典:伊沢蘭軒(1916‐17)〈森鴎外〉二八)
- [その他の文献]〔詩経‐小雅・谷風〕
ふつころ【懐】
- 〘 名詞 〙 =ふところ(懐)
- [初出の実例]「密(しのひ)に懐(フツコロ)の中の糒(ほしひ)を食(くら)ふ」(出典:日本書紀(720)允恭七年一二月(図書寮本訓))
なつかしび【懐】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「なつかしぶ(懐)」の連用形の名詞化 ) なつかしく思うこと。また、馴れ親しむ気持。親愛の情。なつかしみ。
- [初出の実例]「我をばさまことなるものにたゆみて、うらなくなつかしひを通はい給ひしに」(出典:浜松中納言物語(11C中)二)
な‐つけ【懐】
- 〘 名詞 〙 ( 動詞「なつける(懐)」の連用形の名詞化。「なづけ」とも ) なつかせること。
- [初出の実例]「春の野に荒れたる駒のなづけには草葉にみをもなさんとぞ思ふ」(出典:躬恒集(924頃))
ほほ【懐】
- 〘 名詞 〙 ふところ。懐中。
- [初出の実例]「文を受け取ほほに入」(出典:仮名草子・竹斎(1621‐23)上)
なつか
し【懐】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「懐」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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