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クイナ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

クイナ

(1) Rallus aquaticus; water rail ツル目クイナ科。全長 23~28cm。頭上,背,尾,は褐色で黒色斑があり,顔と胸部は灰褐色。腹部は白く,黒褐色の横斑がある。はやや長く,褐色。脚と趾(あしゆび)は長く,黄褐色。ヨーロッパ西部,北アフリカ北部から中央アジア東アジア,ウスリー地方,日本にかけて広く繁殖分布する。北部で繁殖する鳥はアラビア半島北部やインド北部,ミャンマー中国東南部などに渡って越冬する。温帯域の多くでは留鳥である。日本では東北地方北海道で繁殖し,本州中部以南で越冬しているが,近年,生息地として適していた湿地の埋め立てが進み,生息数が減少している。湿地にすむことや,地味な羽色のため,あまり目立たない。
(2) Rallidae; rails ツル目クイナ科の鳥の総称。約 150種からなる。全長 10~63cm。羽色は褐色,黒色のものが多く,一部の種では鮮やかな紫,青色である。翼は短い。多くの種は夜行性で,脚,趾とも長く,ぬかるんだ湿地を歩くのに適している。バン属 Gallinula やオオバン属 Fulica の鳥はほとんど水域で暮らし,足は泳ぐのに適した弁足である(→オオバン)。南極と北極を除く全世界に分布し,河川,湖沼の水辺や湿原地帯に生息して,さまざまな小動物や植物をとる。北方で繁殖する種は南方に渡って越冬するが,多くの種は温帯から熱帯に分布し,大きな渡りをしない。島嶼などに分布する種は飛翔力を失い,人間の持ち込んだ動物などに捕食され絶滅したものも多い。日本にはオオバン,バン,クイナ,ヒクイナヤンバルクイナツルクイナなどが分布している。(→渉禽類

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百科事典マイペディアの解説

クイナ

クイナ科の鳥。脚やくちばしはかなり長く,翼は短く13cm,体は茶褐色黒斑がある。ユーラシア大陸中部で繁殖。日本では北海道,東北で繁殖し,本州中部以南には冬鳥として渡来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

クイナ
くいな / 秧鶏・水鶏
rail

広義には鳥綱ツル目クイナ科に属する鳥の総称で、狭義にはそのうちの1種をさす。種としてのクイナRallus aquaticusは全長約30センチメートル。頭上・後頭・背は黒色縦斑(じゅうはん)のある褐色、顔と下面は淡青灰色であるが、目の下と胸はオリーブ褐色で、腹側と下尾筒には顕著な黒白の粗い横縞(よこじま)がある。ユーラシア大陸の亜寒帯以南に広く分布する。日本では北海道で繁殖するが、本州以南では冬鳥で、このためクイナを冬クイナ、夏鳥で同じクイナ科のヒクイナを夏クイナとよぶことがある。しかし、これはどちらも俗称で、動物学的なものではない。英名をwater railというように、水田、湿地、沼、川岸などの草むらの中にすみ、追われても遠くまで飛ばず、すぐ草むらに隠れ込む。食物は水生の昆虫とその幼虫類や小動物と、水草などの種子や芽である。巣は草の間にアシなどの葉や茎を集めてつくり、1腹6~10個の卵を6月ごろ産卵する。
 クイナ科Rallidaeは、極地を除く全世界に分布し、18~35属約129種に分類される。全長14~52センチメートル。いずれも地上性の鳥で、大多数の種は湖沼、河川、湿地、水田などにすむ渉禽(しょうきん)(クイナ・セイケイ類)あるいは水鳥(バン・オオバン類)であるが、水辺から遠く離れた森林や草原にすむ種もある。羽色は黒色や青紫色から褐色までさまざまで、一般に隠蔽色(いんぺいしょく)の効果をもつものが多い。体は左右に平たく、足と足指は歩くためによく発達している。バンとオオバンは遊泳生活をする。飛翔(ひしょう)力は比較的弱く、尾も短い。とくに大洋中の孤島に生息する種のなかには、翼が退化して飛べなくなったものがいる。このうち少なくとも6種は絶滅した。長距離の飛行には適応していないにもかかわらず、高緯度地方で繁殖するものは、長距離の渡り鳥である。食物は一般に昆虫類や小動物と種子などを食べ、一部の種はほとんど植物食である。巣は地上か水上につくられるが、低い木の上に営巣する種もあり、1腹の卵数は6~12個。抱卵は雌雄で行い、雛(ひな)は早成性で、孵化(ふか)後数日で巣を離れる。日本には11種のクイナ類が分布し、シマクイナPorzana exquisitaを除く10種が繁殖するが、火山列島に留鳥として生息していたマミジロクイナPoliolimnas cinereusは1911年(明治44)以後発見されず、絶滅したと考えられる(ただし、マミジロクイナはマレー諸島やオセアニアに広く分布し、絶滅種ではない)。一方、八重山(やえやま)地方にはオオクイナRallina eurizonoidesが生息し、1981年(昭和56)ヤンバルクイナRallus okinawaeが沖縄本島北部で発見された。[森岡弘之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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