ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クマゲラ」の意味・わかりやすい解説
クマゲラ
Dryocopus martius; black woodpecker
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キツツキ目キツツキ科の鳥。全長約46cm。全身黒色の大型のキツツキ。眼とくちばしが淡黄色で,雄は頭頂全部,雌は後頭だけが鮮紅色をしている。落葉広葉樹や針葉樹と広葉樹の混じった原生林にすみ,キョー,キョー,キョーと鋭い声で鳴く。ゆっくりしたはばたきで,深い波形を描きながら飛び,飛翔(ひしよう)中にもキョッ,キョッと鳴く。樹幹を巧みによじのぼり,樹皮にくちばしで穴を開け,大型の昆虫類の幼虫などを舌でひき出して食べる。また,枯れた切株や朽ちた倒木などの上でも採食し,甲虫類やアリ類を食べる。繁殖期には,くちばしで樹幹や枯枝をたたき,コロコロコロ……という遠くまでよく響く大きな音をたてる。4~6月に,ブナなどの高木の幹に巣穴を掘り,1腹3~6個の卵を産む。ヨーロッパからアジアの亜寒帯に広く分布し,日本では北海道と秋田県の北東部,青森県の白神山地で繁殖するが,数は少ない。キタタキ同様,森林の伐採が進むと絶滅のおそれがある。
執筆者:齋藤 隆史
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