ゴーティエ

百科事典マイペディア 「ゴーティエ」の意味・わかりやすい解説

ゴーティエ

フランスの詩人作家批評家。初め画家を志したが,同級生ネルバルの影響でロマン主義の旗手ユゴーに傾倒し文学運動に加わる。詩集《アルベルチュス》のあと,小説モーパン嬢》(1835年)で芸術至上主義を提唱し,詩集《七宝螺鈿(らでん)》でこれを追究高踏派先駆となる。ルイ13世時代を描いた小説《カピテーヌ・フラカス》(1863年),回想録《ロマン主義の歴史》(1872年)などがある。
→関連項目紀行文学ジゼルベルリオーズペローボレルロマンティック・バレエ

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世界大百科事典 第2版 「ゴーティエ」の意味・わかりやすい解説

ゴーティエ【Théophile Gautier】

1811‐72
フランスの詩人,小説家。初め画家を志したが,やがて詩人に転向。高校の同窓生ネルバルを通じてユゴーと親交を結んだ。ユゴーの劇作エルナニ》の上演(1830)に際して巻き起こった〈エルナニ合戦〉には,赤いチョッキを着て出陣,上演を妨害しようとした擬古典派と渡り合った。1830年の七月革命以後は,ジャーナリストとして文芸批評美術批評に手を染めるかたわら,詩や小説を発表した。初期の詩作《アルベルチュス》(1832)で過激なロマン派詩人の熱狂を示したが,小説《青年フランス派》(1833)でそうしたロマン派の青年像を戯画的に描くうちに,やがて熱狂もさめていった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ゴーティエ」の解説

ゴーティエ
Théophile Gautier

1811~72

フランスの詩人,小説家。ロマン派から出て高踏派に近づき,文学の社会性道徳性,功利性を嫌い,芸術のための芸術を主張。詩集は『七宝螺鈿集』(しっぽうらでんしゅう),小説は伝奇的・幻想的な『ミイラ物語』などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴーティエ」の意味・わかりやすい解説

ゴーティエ
ごーてぃえ

ゴーチエ

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世界大百科事典内のゴーティエの言及

【ジゼル】より

…音楽はA.アダン。台本は,ゴーティエ,サン・ジョルジュとJ.コラリの共作。コラリとJ.ペロー振付。…

【唯物論】より

…一般に,唯心論,観念論に対して世界の根本的原理ないし実在を物質とみなす立場をいう。原語は,〈木材〉〈素材〉〈質料〉〈物質〉の意味のラテン語materiaにさかのぼるが,materia自身,〈母〉を意味するギリシア語mētēr,ラテン語materに由来し,かつギリシア語で〈形相〉〈形式〉に対して〈質料〉〈素材〉の意味をもつhylēのラテン語訳として用いられた。原語は17世紀の成立で,materialistという言葉はH.モアやR.ボイルさらにライプニッツによって使用された。…

【ロマンティック・バレエ】より

…民族舞踊を織り込んで異国情緒を表現した作品群で,《ラ・ジプシー》(1839),《ラ・エスメラルダ》(1844)などの代表作があり,エルスラーがその代表的舞姫である。 ロマンティック・バレエは最初パリを中心に隆盛するが,これには詩人T.ゴーティエの力によるところが大きい。ゴーティエはあらゆる機会をとらえてバレエ,特に舞姫の美しさを称揚し,みずから《ジゼル》の台本を書き下ろすなど,バレエのロマン主義的傾向を強めた。…

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