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本州の中央部をほぼ南北に横切る構造帯。その西縁は糸魚川-静岡構造線,東縁は明瞭ではないが関東山地の西縁あたりとされている。E.ナウマンが命名(1886)。ナウマンは,日本列島は北西からの横圧力によって弧状褶曲山脈をなすが,隆起・北東進する七島山脈(伊豆七島)が抵抗体となって南北日本の境界部に著しい屈曲と開裂が生じたとし,開裂部をフォッサマグナ(大地溝。ラテン語でfossaは〈みぞ〉〈堀〉,magnaは〈大きい〉の意)と呼んだ。これに対し原田豊吉(1888)は,屈曲を北日本弧と南日本弧の対曲とみなし,対曲部の火山活動に富むじょう乱帯を富士帯と呼んだ。現在の知見では,フォッサマグナ周辺地域では西南日本外帯の先新第三系の帯状配列は赤石山脈から関東山地にかけて著しく屈曲し,この屈曲部に沿って新第三紀および第四紀の堆積岩類,深成岩類,火山岩類が南北に広く分布している。しかしフォッサマグナについての明快な解釈はまだ得られていない。
執筆者:今井 功
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(斎藤靖二 神奈川県立生命の星・地球博物館館長 / 2007年)
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本州中央部を南北に横断する日本列島で最も顕著な地質構造帯をいう。ラテン語でフォッサは「溝」,マグナは「大きい」の意で,1886年(明治19)ドイツの地質学者E.ナウマンが命名。西縁は糸魚川(いといがわ)-静岡構造線で限られる。東縁は富士山をはじめとする第四紀の火山におおわれてはっきりしないが,ほぼ関東山地の西縁にあたる。その形成はジュラ期の前半にまでさかのぼり,第三紀にかけて発達した。第四紀にも地殻変動は著しく,構造帯西側の北,南アルプスの急激な隆起をもたらした。八ケ岳付近で狭まって,北部と南部にわけられる。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
※「フォッサマグナ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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