フリードリヒ(3世)(ザクセン選帝侯)(読み)ふりーどりひ(英語表記)Friedrich Ⅲ

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

フリードリヒ(3世)(ザクセン選帝侯)
ふりーどりひ
Friedrich Ⅲ
(1463―1525)

ザクセン選帝侯(在位1486~1525)。賢公der Weiseとよばれる。人格高潔で識見も高く、ドイツ諸侯中で重きをなした。神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の死後、皇帝選挙で皇帝に推されたが辞退し、カール5世の選出を援助した。ウィッテンベルク大学創設(1502)、ルターメランヒトンを招き、その結果、同大学を宗教改革の拠点たらしめることになった。ルターの改革が起こると、顧問官シュパラティンの助言を受けて、保護の立場をとり、1521年ウォルムス国会でルターが帝国追放を宣せられると、彼をワルトブルク城にかくまった。宗教的にはカトリック信仰に厚く、聖遺物収集家として知られたが、死の直前、新教に改宗した。

[瀬原義生]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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