デジタル大辞泉
「ヘリコバクターピロリ」の意味・読み・例文・類語
ヘリコバクター‐ピロリ(Helicobacter pylori)
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「ヘリコバクターピロリ」の解説
へりこばくたーぴろり【ヘリコバクター・ピロリ】
ヘリコバクター・ピロリという細菌が、胃の中に生息していることが、最近明らかにされました。
胃内には胃酸(いさん)という強力な酸(pH2.0前後)が存在するため、ふつう細菌は死滅してしまいます。そのため、この胃酸は、口から飲食物と同時に侵入してくる細菌に対する重要な防御因子(ぼうぎょいんし)と考えられてきました。
ヘリコバクター・ピロリは、アンモニアを生成(せいせい)して酸を中和(ちゅうわ)したり、泳いで自ら住みよい環境に移動できるなど、いくつかの特性をもっています。それにより、胃酸の存在にもかかわらず、胃粘膜上(いねんまくじょう)の粘液層(ねんえきそう)中に、他の菌と異なり生存することが可能とされます。
ヘリコバクター・ピロリの発見以後、世界的に多くの研究がなされ、胃炎、胃(い)・十二指腸潰瘍(じゅうにしちょうかいよう)、さらには胃がんとのかかわりが論じられてきました。
現在では、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍の原因として重視されており、この菌がどのように胃に障害を与えるのかについての研究が進められています。
ヘリコバクター・ピロリは抗生物質による除菌が可能な菌であり、この菌を除去することで、潰瘍の再発率が低下し、胃がんの発生も抑えられることがわかってきました。
検査によりヘリコバクター・ピロリをもっていることがわかった胃・十二指腸潰瘍の患者に対して、抗生物質を使った除菌治療が、健康保険の適用になります。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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