七夕踊[市来](読み)たなばたおどり[いちき]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「七夕踊[市来]」の意味・わかりやすい解説

七夕踊[市来]
たなばたおどり[いちき]

鹿児島県いちき串木野市大里で 8月5~11日の日曜日(本来は旧暦 7月7日)に行なわれる祭り。大里地区 14集落の二才(にせ)と呼ばれる 15~29歳の青年による太鼓踊が,作い物(つくいもん)と呼ばれる巨大なシカ,トラ,ウシ,ツルのつくり物と,行列物と呼ばれる琉球王行列と大名行列,なぎなた行列,かぶと行列のあとについて踊りを奉納する。白装束で頭に花笠を着けた役者(やっさ)と呼ばれる踊り子数十人が,太鼓やを持ち輪になって踊るもので,7庭(曲)を基本とするが,場所により 9庭や 13庭踊る。天和4(1684)年に地頭の床濤到住(とこなみとうじゅう)の尽力で大里の水田用水がひらかれ,その祝賀に踊ったのが始まりとされ,中福良にある床濤到住の碑が,踊り始めと踊り納めの場所と決まっている。国指定重要無形民俗文化財。(→市来七夕踊

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