デジタル大辞泉 「仕切る」の意味・読み・例文・類語 し‐き・る【仕切る】 [動ラ五(四)]1 境を作って他と区別する。隔てとなるものを設けて、いくつかの部分に分ける。「大部屋を二つに―・る」2 ある範囲の物事を掌握し処理する。取り仕切る。「一人で会の運営を―・る」3 帳簿または取引の決算をする。「三月末に―・る」4 相撲で、両力士が土俵中央仕切り線の所で、両手を土俵に下ろして立ち合いの呼吸合わせをする。仕切りをする。「腰高に―・る」[可能]しきれる[類語](1)分ける・区切る・画する・仕切り/(2)指揮・采配・監督・差配・取り仕切る・舵を取る・音頭を取る 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「仕切る」の意味・読み・例文・類語 し‐き・る【仕切】 [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙 ( 「し」はサ変動詞「する」の連用形 )① 行く手をさえぎる。道をふさぐ。[初出の実例]「岫崎と云処は風飄々と翻りて砂を返し波、浪々と乱れて人をしきる」(出典:海道記(1223頃)手越より蒲原)「敵に兵糧をもしきられしとて」(出典:史記抄(1477)一三)② 区画する。間をへだてる。間に境界をつける。[初出の実例]「女房衆の方を以二屏風一しきり」(出典:石山本願寺日記‐証如上人日記・天文一〇年(1541)二月一三日)③ 取引の決算、または支払などをする。(イ) 商家で、帳簿や取引の決算をする。総勘定をする。[初出の実例]「御しちやの銀五百目かり申候。只今しきって、さいそく申候」(出典:梅津政景日記‐慶長一七年(1612)一一月二一日)(ロ) 値段を定め、取引の約束を済ませる。取引の契約、または金銭の授受を完了する。[初出の実例]「銀のあるきもいりは親の手まへを当分にかねわたし仕切、我がぢきの奉公人とさだめ茶や奉公に出すも有」(出典:茶屋諸分調方記(1693)四)(ハ) 芸娼妓などを揚げて遊興する約束をする。[初出の実例]「室津のつづけ買とて、女良有ほどしきりて、日毎になぐさみ替てあそべば」(出典:浮世草子・好色盛衰記(1688)二)④ ある物事の全体を掌握し、指示などを出しつつ処理する。[初出の実例]「これからみんな自分が仕切ることになっとると」(出典:地の群れ(1963)〈井上光晴〉二)⑤ 終わりまでする。物事を最後までし終える。また、きっぱりとする。「話をしきる」[初出の実例]「男の有身なれば、心はいやにあらね共、どふも思ふにまかせぬと、ならぬ返事を仕切(シキリ)て」(出典:浮世草子・けいせい伝受紙子(1710)一)[ 2 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 相撲で、力士が立合いの姿勢をかまえる。[初出の実例]「せき立ってしきるからおかしいぜ、ヲット行司の役をたのむぜ」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例