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公権 こうけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

公権
こうけん

公法上の権利公義務と対応する。国あるいは公共団体の公権である国家的公権と,私人の公権である個人的公権とがある。国家的公権は,その目的によって組織権,警察権,統制権,公用負担特権,財政権,刑罰権に分けられ,その内容によって下命権,強制権,形成権,その他の公法上の支配権に分けられる。また個人的公権には,参政権,自由権,受益権などがあげられる。公法関係において,一方の当事者が優越な意思主体としての国,公共団体あるいは国家的公権を与えられたものであるかあるいは劣位の意思主体としての個人もしくは団体であるかによって権利の性質が異なってくるところから立てられた観念である。

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デジタル大辞泉の解説

こう‐けん【公権】

公法上認められている権利。警察権・財政権・統制権などの国家的公権と、参政権・生活保護を受ける権利などの個人的公権とに分けられる。→私権

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百科事典マイペディアの解説

公権【こうけん】

公法関係における権利。私権と対比され,公義務に対応する。国家的公権(国・公共団体が行政主体として国民に対してもつ権利)と個人的公権(国民が行政主体に対してもつ権利)に分かれる。
→関連項目権利水利権

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世界大百科事典 第2版の解説

こうけん【公権】

公法関係における権利のことで,私法関係における権利である私権に対比して用いられる。とくに,行政法学上の概念として論ぜられてきた。 公権は国家またはこれに準ずる公共団体が主体となって,国民に命令し,義務の履行を強制する国家的公権と,個人が国家・公共団体に対して有する個人的公権に分けられるが,このうち,行政法学上,公権としてとくに論ぜられるのは,個人的公権である。近代国家においては,絶対主義時代と異なり,人民も公権力の主体としての国家に一定の権利を主張しうるとするところに,この概念の大きな意義が認められ,日本においても,すでに,明治憲法時代に,この意味の公権論が展開されていた。

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大辞林 第三版の解説

こうけん【公権】

公法上の権利。公義務に対応する。国・公共団体などが国民に対してもつ刑罰権・財政権・警察権などの国家的公権と、国民が国・公共団体などに対してもつ自由権・参政権などの個人的公権とに分けられる。 ↔ 私権公義務

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

公権
こうけん

公法関係において、直接自己のために一定の利益を主張しうべき法律上の力(権利)をいう。公法と私法を区別する伝統的行政法学上の観念である。公権は国家・公共団体が公権力主体としての立場において有する国家的公権と、国民が公権力主体に対してもつ個人的公権に分けられる。国家的公権は警察権、統制権、公企業監督権、公用負担特権、課税権等、公権力そのものである。個人的公権は参政権、受益権、自由権に分けられる。個人的公権は直接私益のために認められる私権とは異なり、国家的・公共的見地から認められるものであるから、独占排他的な絶対不可侵の権利ではなく、公益的見地からの制約を予想した権利であり、権利すなわち義務の性質が顕著で、放棄、移転は許されないと説かれてきた。選挙権、訴権、公務員の恩給権、給与請求権、生活保護請求権などがその例とされる。しかし、今日では公法と私法の体系的区別を認めない説が優勢となっているし、放棄、移転が許されないかどうかは実定法の定めと個々の権利(選挙権、生活保護請求権など)の性質によって決まることで、体系的な公権という概念は有害無益となってきている。[阿部泰隆]

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