精選版 日本国語大辞典 「公法」の意味・読み・例文・類語
こう‐ほう ‥ハフ【公法】
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
広く法体系の分類としては国家・公共団体にかかわる法、すなわち憲法、行政法、刑法、刑事訴訟法、国際公法などを公法といい、民法、商法、国際私法など私人間の法律関係に適用される私法に対比される。経済法や労働法はこの意味での公法と私法との混合領域である。より狭義には、行政活動に適用される法のうち、私人間にも適用される私法を除いた、行政に特殊固有の法を公法といい、これは行政法ともよばれる。実定法上は租税法、土地法、環境法、公務員法、教育法、防衛法、警察法などの法群が公法であるが、公法と私法との区別はかならずしも明確でなく、各種の学説がある。
もともと、公法と私法との区別はドイツ、フランスなど大陸法系の諸国で認められてきたもので、公法の領域については行政裁判所、私法の領域については民事裁判所が管轄権をもつという裁判制度と相まって、この区別は重要であった。日本では大日本帝国憲法時代に大陸法系の制度を導入したので、この区別は実際的意義をもち、また、行政裁判所は私法と離れて裁判するところから、公法独自の法原理が形成されていった。しかし、公法と私法との区別については、国家または公法人に関する法はすべて公法とする主体説、権力服従関係に関する法を公法とする権力説、公益に関する法を公法とする利益説など諸説が対立し、またそれは時代により国により異なって理解されてきており、時代を超越した普遍的なものではなかった。これに反し、英米法系の諸国では行政裁判制度を置かず、国家・公共団体も私人と同じ民事裁判所の管轄に服するので、行政に固有の法体系としての公法は成立しなかった。第二次世界大戦後の日本は英米法系に倣って行政裁判所を廃止し、行政に関する争いはすべて民事裁判所の裁判に服することにしたので、公法と私法の存立基盤は揺らいでいるが、それでも行政事件訴訟法は公権力の行使に関する不服の訴訟として抗告訴訟、公法上の法律関係につき公法上の当事者訴訟の制度を置いているので、この法律の適用関係を画するために公法と私法との区別をする必要があるとされる。しかし、公法と私法との区別は実際上困難であるうえ、公法上の当事者訴訟と民事訴訟との違いはほとんどないことから、今日では公法と私法との区別はほとんど実益がなくなっている。
[阿部泰隆]
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
少子化とは、出生率の低下に伴って、将来の人口が長期的に減少する現象をさす。日本の出生率は、第二次世界大戦後、継続的に低下し、すでに先進国のうちでも低い水準となっている。出生率の低下は、直接には人々の意...
11/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/26 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典を更新
10/19 デジタル大辞泉プラスを更新
10/19 デジタル大辞泉を更新
10/10 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
9/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新