大日堂(読み)だいにちどう

精選版 日本国語大辞典 「大日堂」の意味・読み・例文・類語

だいにち‐どう ‥ダウ【大日堂】

〘名〙 大日如来を安置してある堂。
義経記(室町中か)五「彌勒堂の東、大日だうの上より見わたせば」

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デジタル大辞泉 「大日堂」の意味・読み・例文・類語

だいにち‐どう〔‐ダウ〕【大日堂】

大日如来を安置してある堂。

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日本歴史地名大系 「大日堂」の解説

大日堂
だいにちどう

[現在地名]鹿角市八幡平 小豆沢字堂ノ上

みや嶽西麓、山地が切れて平地になる所に鎮座。現在は大日おおひるめのむち神社と称し、祭神は天照大神・吉祥姫命ほか一一柱。日の丸入り五本骨扇を神紋とし、旧郷社。

大日堂の創建は不明だが古く真言宗の伝播に関係があると考えられ、社伝はダンブリ長者の善行を伝えるため勅願により上津野(鹿角)の鎮守とされたといい、また寿永二年(一一八三)頃に錦戸六郎が父の命で再建したという伝承がある。寛政(一七八九―一八〇一)頃の「邦内郷村志」は「継体天皇十七年、因勅建立」として、社領八四石九斗余、社殿は九間四面、高一三間と記す。

大日堂
だいにちどう

[現在地名]昭島市拝島町一丁目

奥多摩街道の北側、かつての拝島はいじま宿の東端にある。現在はかつての別当寺天台宗普明ふみよう寺に属する。大日堂の前身は拝島山密厳院浄土寺と号する寺で、もとは東寄り大神の浄土おおがみのじようどにあり、武蔵守護代の系譜をひく大石氏が滝山たきやま(現八王子市)を築いたとき、鬼門除けのため西寄りの現在地に移転させたという。本尊の大日如来は天暦六年(九五二)多摩川洪水で中洲に流れ着き浄土寺に安置されていた(大日堂縁起)

大日堂
だいにちどう

[現在地名]美祢市西厚保町原 大日

厚保あつの西、草場くさば(二九三・二メートル)の南西麓にある、西山浄土宗曼陀羅光明こうみよう寺の境内にある仏堂。

「注進案」によれば、本尊の大日如来は行基作といい、当地にあった真言宗寺院(寺名不詳)の本尊で、寺は長年月の間に興廃し、大内氏と尼子氏が戦った大永(一五二一―二八)の兵乱以後は本尊のみが残った。村民はこれを嘆き、三間四面の草堂を建て大日如来を安置した。

大日堂
だいにちどう

[現在地名]石下町新石下

新石下しんいしげ集落ほぼ中央に位置し、堂西側に公孫樹の大木が茂る。岩屋山常心院福聚ふくじゆ寺の跡。福聚寺は天台宗で、現下妻市の普門ふもん寺門徒の祈願寺。延享二年(一七四五)一〇月の普門寺本末分限改帳(普門寺文書)の福聚寺の項には大日堂のほか愛宕あたご社地・八幡社地・弁天社地などがみえ、これらの別当を兼ねていたものと思われ、天保八年(一八三七)三月の御朱印寺社書上帳(新井家文書)によれば除地三・七石余を有し、境内には鬱蒼とした森や弁天池があり、弁天社が鎮座していた。

大日堂
だいにちどう

[現在地名]比内町独鈷

さい川右岸の台地上の独鈷とつこ城跡に存立。「郷村史略」に「縁起に曰、継体天皇神亀年中勅願所、脇立文珠 普賢 観音 不動 毘沙門 十王行基の作 神亀二年四月廿八日堂建立」とみえる。鹿角かづの小豆沢あずきざわ(現鹿角市)、および十二所別所じゆうにしよべつしよ(現大館市)の各大日堂とも深い関係をもつという。

大日堂
だいにちどう

[現在地名]東山区清水二丁目

経書きようかく堂の東に位置する。清水寺の塔頭。正しくは真福しんぷく寺だが、本堂に大日如来像(坐像、七尺)を安置し、大日堂の名が広まった。同像は空海の作と伝え(「山城名跡巡行志」「拾遺都名所図会」など)、「菟芸泥赴」によると、脇に弁財天、五部大乗経の輪蔵を配したという。「京都府地誌」に「天文三年甲午創立。開基僧詳ナラス。天保中、僧一円中興ス」とする。

大日堂
だいにちどう

[現在地名]黒滝村大字中戸

河分かわわけ神社の近傍にあり、同社のもと神宮寺であった南光なんこう寺の名残を伝える。真言宗で本尊は大日如来。社僧別当の下に関係五ヵ村に神職五人がいた。明治初年廃寺となり、寺宝什器はほとんど売却、二畝一〇歩の敷地も民有になった。近世の検地帳(黒滝村史)に「川戸大明神宮守南光寺屋敷 境内寺院」とある。本尊は像高五六センチで大日如来とされるが、螺髪で定印の坐像であるから、入口の額の銘からも阿弥陀如来坐像とみなければならない。

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デジタル大辞泉プラス 「大日堂」の解説

大日堂

東京都昭島市にある天台宗の寺院。拝島山密厳院浄土寺と号する寺が前身。本尊の大日如来坐像は952年の多摩川洪水で中州に流れ着いたものと伝わり、都の有形文化財に指定されている。

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