家庭医学館 の解説
こどものうんどうきのびょうきをみつけるてがかり【子どもの運動器の病気を見つける手がかり】
生後1週間目くらいに、くびの片側の筋肉に指先ほどの大きさのしこりができて、顔をしこりと反対側に向け、くびをしこりのほうに傾ける。
野球肘(やきゅうひじ)(「子どもの野球肘」)
肘を動かしたり、肘の内側や外側を押すと痛む。肘が腫(は)れたり、完全に伸ばしたりできない。とくに投球動作で痛む。
外反肘(がいはんちゅう)(「外反肘」)
腕をまっすぐに伸ばしたとき、腕が親指側(外側)に弯曲(わんきょく)する。肘の骨折(外顆骨折(がいかこっせつ))の後遺症。
内反肘(ないはんちゅう)(「内反肘」)
腕をまっすぐに伸ばしたとき、腕が小指側(内側)に弯曲する。肘の骨折(顆上(かじょう)骨折、通顆(つうか)骨折)の後遺症。
肘内障(ちゅうないしょう)(「肘内障」)
急に幼児の手を強く引っ張ったときに、突然痛がって泣きだし、腕をだらりと下げて動かさず、腕を上げさせると泣く。
鳩胸(はとむね)(「鳩胸」)
胸の中央にある平たい胸骨(きょうこつ)が、ハトの胸のように前方にでっぱっている。肋軟骨(ろくなんこつ)が異常に長すぎるか、くる病(「くる病(子どもの骨軟化症)」)など骨の発育障害でおこる。
漏斗胸(ろうときょう)(「漏斗胸」)
胸骨の中央部が縦にへこんでいる。ひどいときは、へこんだ胸骨が心臓や肺を圧迫し、心臓が横に押しだされたり、肺活量が減ったりする。
単純性股関節炎(たんじゅんせいこかんせつえん)(「単純性股関節炎」)
5~8歳の子どもで、突然に股関節の痛みがおこる。関節を動かすと、とくに痛がる。痛みのために脚(あし)を引きずる(跛行(はこう))。超音波検査(エコー)で、関節内に水がたまっているのがみられることがある。
O脚(オーきゃく)(「O脚」)
両足首をつけて立ったときに、両膝の間が開いてO型に見える。両膝の間におとなの指が3本以上入る。2歳をすぎてもO脚が強いときは要注意。内股(うちまた)歩き(内旋歩行(ないせんほこう))で、転びやすかったり、疲れやすかったりする。
X脚(エックスきゃく)(「X脚」)
膝(ひざ)をそろえて立ったときに、両足のくるぶしの間が開いてX型に見える。両足のくるぶしの間が、指5本分以上開いている。7歳以上になってX脚があるときは精密検査を。全身の関節がやわらかく(関節弛緩(かんせつしかん))、立ったときに膝がうしろのほうにそり返る(反張膝(はんちょうしつ))。
成長痛(せいちょうつう)(「成長痛」)
2~6歳の子どもで、夜、寝ていて脚が痛いといって泣く。痛みは長く続かず、さすってやったり、だっこしたりすると治る。翌日は何事もなく、跳びはねている。
扁平足(へんぺいそく)(「扁平足」)
立ったとき、足の内側のアーチ(土踏まず)が下がり、うしろから見ると、かかとが、ふくらはぎに対して外にそっている(外反)。足の前方は、かかとに対し外に向く(外転)。寝た姿勢では正常にもどり、アーチがみられる。転びやすく、夜間、脚の痛みを訴えることがある。
子どもの膝内障(しつないしょう)(「子どもの膝内障」)
円板状半月板は、膝の屈伸時に負担が強くかかり、しわがよって傷がつくことがある。そのときは、膝が痛み、屈伸しにくく、膝に音がする。
先天性股関節脱臼(せんてんせいこかんせつだっきゅう)(「先天性股関節脱臼」)
生まれて1週間以内の赤ちゃん(新生児)は、股を大きく外に開いたときに、コクッという音がする(クリックサイン)。生後3か月以後で股関節の開き方が悪い(開排制限)、脚の長さがちがう、太ももの内側のしわが左右対称でない、脚の動きがおかしいなどといった症状があるとき、精密検査を。
ペルテス病(「ペルテス病」)
脚を引きずって歩き(跛行)、股関節や膝が痛い。股関節の動きが悪い。3~8歳の活発な小がらな男の子に多い。
大腿骨頭(だいたいこっとう)すべり症(しょう)(「大腿骨頭すべり症」)
激しい運動後に、突然、強い股関節の痛みがおこって歩けなくなる場合と、徐々に股関節の痛みが強くなって、脚を引きずって歩く場合がある。ぼてっとした肥満型の男の子に多い。
オスグッド・シュラッター病(「オスグッド・シュラッター病」)
膝のすぐ下の、張りだした骨が腫れて痛む。押すと痛い。膝を強く曲げるときや、抵抗にさからって膝を伸ばすときに、痛みが強くなる。
第1、第2ケーラー病(「第1ケーラー病/第2ケーラー病」)
第1ケーラー病は足の甲に、第2ケーラー病は足の第2指のつけ根に、腫れと痛み。痛みのために歩行がしにくい。
踵骨骨端炎(しょうこつこったんえん)(「踵骨骨端炎」)
かかとが痛く、押さえるとさらに強く痛む。階段を上がったり、走ると痛みが強くなる。