(読み)いわ

日本大百科全書(ニッポニカ)「岩」の解説


いわ

大きな石の塊をいう。岩はその形状からいろいろな名称をもってよばれている。舟岩、帽子(えぼし)岩、獅子(しし)岩、杓子(しゃくし)岩などというのがある。海辺近くに同じような二つの岩が立っているのがある。夫婦(めおと)岩とか男岩女岩などと名づけられている。いちばん有名なのは伊勢(いせ)の二見浦(ふたみがうら)の夫婦岩で、二つの岩に注連縄(しめなわ)が張られてあり、元旦には両岩の間から朝日が昇るという。岩石には神霊が宿るとして、これを岩神として信仰する風があった。子安神(こやすがみ)と同じく、生まれた子を連れて岩神へ参り、無事に成長することを祈る風がある。そそり立つ岩を立神(たつがみ)といってあがめ、鹿児島県屋久島(やくしま)では立神権現(ごんげん)と称している。

 岩にはいろいろの奇瑞(きずい)伝説がつきまとっている。おらび岩、鸚鵡(おうむ)岩、呼ばわり岩などといって、この岩に向かって呼びかけると山彦(やまびこ)となって返ってくるといわれている。雨乞(あまご)いに効果のあるという岩石が各地にある。長野県南佐久郡田口村(現佐久市)の雨乞岩というのは天狗(てんぐ)がいるといわれ、ここで雨乞いをするという。同県東筑摩(ちくま)郡広丘(ひろおか)村(現塩尻(しおじり)市)には田川の水流の中に雨降石というのがあり、この石を動かすと雨が降るという。福島県信夫(しのぶ)郡渡利村(現福島市)八幡(はちまん)社の傍らに的場石というのがあり、那須与市(なすのよいち)が信夫山からこの石を的にして射たと伝えられている。福井県大野市には椀貸(わんかし)岩というのがあり、村人が客寄せなどのとき頼んでおくと椀を数だけ貸したという。しかし、これを借りて返さぬ者があって、このことは止まったという。

[大藤時彦]


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デジタル大辞泉「岩」の解説

がん【岩】[漢字項目]

[音]ガン(呉)(漢) [訓]いわ
学習漢字]2年
〈ガン〉いわ。「岩塩岩窟がんくつ岩礁岩石岩壁奇岩巨岩鑿岩さくがん溶岩花崗岩かこうがん火成岩
〈いわ〉「岩場岩屋
[補説]もと「巖」の俗字。
[名のり]いわお・かた・せき・たか
[難読]岩魚いわな

いわ〔いは〕【岩/×巌/×磐】

地殻を形づくっている堅い物質。
石の大きなもの。岩石。いわお。「一念—をも通す」
(「錘」「沈子」とも書く)
漁網を沈めるためにつけるおもり。
㋑船のいかり。
「—下ろすかたこそなけれ伊勢の海のしほせにかかるあまの釣り舟」〈千載・雑上〉
[類語]岩石巨岩岩根磐石奇岩岩壁大石・奇岩怪石・一枚岩岩肌

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus「岩」の解説

いわ

?-? 江戸時代の遊女
江戸根津の妓楼川島屋の(かか)え。着物から身の回りのものすべて烏(からす)の模様でととのえ,烏岩とよばれた。烏の「反哺(はんぽ)の」をわすれないためといい,苦界(くがい)に売られた身をうらまず,親に送金をつづけたという。

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