彼奴・奴(読み)きゃつ

精選版 日本国語大辞典 「彼奴・奴」の意味・読み・例文・類語

きゃつ【彼奴・奴】

〘代名〙 他称。話し手相手から離れた人をののしってさし示す語。しゃつ。かやつ。あいつ
※宇治拾遺(1221頃)三「きゃつ、たしかにめしこめて勘当せよ」
※浄瑠璃・平家女護島(1719)四「先づきゃつから打ち殺せ」
[語誌]院政・鎌倉期に生じた代名詞で、近世でも引き続き使用された。平安時代からある「彼奴(かやつ)」のつづまったものといわれ、「きゃつら」「きゃつばら」の複合形も生じた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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