方位図法(読み)ホウイズホウ(その他表記)azimuthal projections

デジタル大辞泉 「方位図法」の意味・読み・例文・類語

ほうい‐ずほう〔ハウヰヅハフ〕【方位図法】

地図投影法の一。地球上の一点で接する平面に、経線緯線投影する図法総称接点から各地点に至る最短距離直線で示され、各地の方位が正しく表される。心射図法平射図法正射図法正距方位図法ランベルト正積図法など。

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精選版 日本国語大辞典 「方位図法」の意味・読み・例文・類語

ほうい‐ずほうハウヰヅハフ【方位図法】

  1. 〘 名詞 〙 地図投影法一つ地上の一点で接する平面に経緯線を投影する図法の総称。接点から各地点に至る最短距離が直線で示され、各地の方位が正しく表示される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「方位図法」の意味・わかりやすい解説

方位図法
ほういずほう
azimuthal projections

地図投影の一種投影面が平面で、投影面に垂直な直線(投影軸)が地軸と一致する正軸の場合に、経線が極(投影軸と投影面との交点となる投影中心である一定点で、地図主点ともいう)から放射する直線束で、緯線が極を中心とする同心円で表される図法の総称。天頂図法zenithal projectionsは古い名称である。投影中心から任意の方向への直線は最短経路を表し、その方向角は正しく表されている。またこの点を中心とする同心円は等距離圏を表す。投射図法はこの図法に含まれ、ほかに非投射図法となる、正距方位図法と正積方位図法がある。

[金澤 敬]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「方位図法」の意味・わかりやすい解説

方位図法
ほういずほう
azimuthal projection

天頂図法 zenithal projectionともいう。平面を投影面とする地図投影法の総称。地球の中心から投影面へおろした垂線 (投影軸という) が地軸と一致する場合 (正軸または極心) ,その垂線の足 (投影中心または地図主点という) から放射する直線束で地図上の経線,その点を中心とする同心円で緯線をそれぞれ表わす。横軸や斜軸の場合も含めて,地図主点では,その点を通る直線がすべて地球上の最短コースを表わし,それらの交角は正しく表わされている。この性質に基づいて方位図法と名づけられている。投射図法のほかに,正積方位図法,正距方位図法が含まれる。方位図法では,極心法の場合緯線ごとに,その他の場合は地図主点を中心とする同心円ごとに,その上では地図投影のひずみが等しい。つまり緯線が等ひずみ線となる。方位図法を変形して,特定の2定点での方向角が正しく表わされるようにした2点等方位図法,またはその2定点から任意の点への距離が正しく表わされる2点等距離図法,あるいは任意の点から1定点への方位角が正しく表わされる逆方位図法が考案されている。 (→擬方位図法 )  

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百科事典マイペディア 「方位図法」の意味・わかりやすい解説

方位図法【ほういずほう】

天頂図法とも。地図投影法のうち,地球に接した平面にある視点から経緯線を投影する図法の総称。接平面や視点の位置などによりさまざまな投影法があり,そのいずれでも,地図の中心(平面が地球と接する点)を通る大圏はある一点から放射する直線として投影され正しい方位をもつのでこの名称がある。地図の中心より一定の距離にある点は球面上でも一定距離にあり,その点付近の投影はすべて歪曲(わいきょく)の条件が同じとなる。小縮尺の一般地理図に用いられる。
→関連項目ハンメル図法

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世界大百科事典(旧版)内の方位図法の言及

【地図】より

…明確な図式がないと地図は本来作成できないし,また安心して利用することもできない。
[地図の図法]
 地図の図法(投影法)を,その投影面から分類すると,(1)方位図法,(2)円錐図法,(3)円筒図法に分けられる。(1)の方位図法は地球上の一点に接する平面に経緯線を投影する図法であり,(2)の円錐図法は地球面に接するか,またはわずかに食い込む形で円錐をかぶせ,経緯線を投影して,これを切り開いて平面とする図法であり,(3)の円筒図法は同じく地球面に接するか,またはわずかに食い込む形で円筒をかぶせ,経緯線を投影してこれを切り開いて平面とする図法である。…

※「方位図法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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