デジタル大辞泉
「曲る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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まが・る【曲】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① まっすぐなものが湾曲する。たわむ。ゆがむ。曲線を描く。
- [初出の実例]「眉は長くして曲(マカラ)ず」(出典:彌勒上生経賛平安初期点(850頃))
- ② 折れる。屈曲する。屈折する。
- [初出の実例]「北に枉(まが)れる道は、北のかたに去ること四里二百六十歩」(出典:出雲風土記(733)巻末記)
- ③ 向きを変える。進行方向を変える。
- [初出の実例]「魚店から左へまがり、横山町を直路に」(出典:安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二)
- ④ うずをまく。とぐろをまく。わだかまる。
- [初出の実例]「鳳のごとくに翥り、龍のごとくに盤(マカリテ)、将に衆瞽を開かむ」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)九)
- ⑤ 道理からはずれる。心がねじける。ひがむ。
- [初出の実例]「次に其の枉(マカレ)るを矯(なほ)さむと将(し)て生める神を、号けて神直日(かみなほひの)神と曰す」(出典:日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
- ⑥ 位置がねじれる。また、受け取り方がまともでなく、ひねくれる。「ネクタイが曲がる」
- [初出の実例]「云ひ切ってしまった時に感じるだらう心のすがすがしさと、それを曲って取られはしないかといふ不安とが」(出典:星座(1922)〈有島武郎〉)
- ⑦ 一方に傾く。傾斜する。ななめになる。「柱がまがる」
- ⑧ 衰える。衰微する。「身代が曲がる」
- [初出の実例]「どんなに智慧があって利口だって、曲(マガ)った日にゃ、鼻も引っかける奴はありませんや」(出典:金(1926)〈宮嶋資夫〉九)
- ⑨ 取引相場で、予想がはずれる。あてがはずれて損をする。〔取引所用語字彙(1917)〕
きょく・る【曲】
- 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 ( 名詞「きょく(曲)」の動詞化。「きょぐる」とも )
- ① 種々曲芸をする。
- [初出の実例]「えものは三味線、どんちゃんの、音に驚き裾野の猿が、三番(さんば)ふみふみ逃出す、鹿へ飛乗る曲る馬」(出典:常磐津・勢獅子劇場花籠(1851))
- ② おかしく言いまわす。また、なごやかに言う。
- [初出の実例]「アなまみだ仏と詞できょくり、頼平とは白波の、直下に見るぞはまり成る」(出典:浄瑠璃・関八州繋馬(1724)道行)
- ③ 人をからかう。ちゃかす。ばかにする。また、皮肉を言う。
- [初出の実例]「此四句は謂二漢武目出事一而下は玄宗をきょくった也」(出典:杜詩続翠抄(1439頃)一五)
- 「是はきょぐって答たやら、又うつけて答たやらぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)七)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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