折れる(読み)オレル

デジタル大辞泉 「折れる」の意味・読み・例文・類語

お・れる〔をれる〕【折れる】

[動ラ下一][文]を・る[ラ下二]
棒状板状のものが鋭く曲がる。また、物が曲がって切れる。「線香が―・れる」
平面状のものが曲がって二重になる。「紙の端が―・れる」
道などが曲がる。また、曲がって進む。「次の信号を右に―・れる」
頑固な意見主張などが弱くなる。譲歩する。「こちらが―・れて話がまとまる」
(「骨がおれる」などの形で)苦労する。「気骨の―・れる仕事」
和歌の第3句と第4句の続きがうまくいかない。
「腰はなれぬばかり―・れかかりたる歌を詠み出で」〈紫式部日記
[類語](1)(3折れ曲がる曲がる折損せっそんする屈折する曲折する屈曲する右折する左折するカーブする折るへし折る折る畳む折り畳む折り重ねる折り曲げるちぎれる切り離す張り裂ける断ち切る真っ二つばらすぽっきりぽきりぼきぼきぽきぽきぼきりぽきんぼきんばきばきぱきぱきめりめりみりみりばりばり/(4譲歩する妥協する折り合う歩み寄る片付く纏まる締め括る纏める

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「折れる」の意味・読み・例文・類語

お・れるをれる【折】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]を・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 一直線または一平面のものが、ある点または線で二線分または二平面のものになる。
  2. 曲がって二重になる。曲がりたわむ。
    1. [初出の実例]「御腰はをれにけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. 曲がって二つの部分に切り離される。
    1. [初出の実例]「楼(たかとの)に登りて謀る。夾膝(おしまづき)自づからに断(ヲレ)ぬ」(出典日本書紀(720)斉明四年一一月(北野本訓))
  4. 向きを変えて進む。また、道などが曲がる。
    1. [初出の実例]「朱雀より五条の大路を西ざまにをれ給ふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)
  5. 強い意見や主張をやわらげ、相手に従う。くじける。譲歩する。負ける。
    1. [初出の実例]「げに春の色はえおとさせ給まじけり、と花におれつつきこえあへり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)胡蝶)
    2. 「先方から頓(やか)て『堪忍して呉れ玉(たま)へ』と折れて来る」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉二)
  6. ( 「骨が折れる」の形で ) 苦労する。大変である。
    1. [初出の実例]「百姓といふ者は壱番骨の折(ヲレ)る者に相違ないから」(出典:交易問答(1869)〈加藤弘之〉下)
  7. 和歌の第三句(腰句)と第四句とがうまく続かない。→腰折(こしおれ)

折れるの補助注記

の「源氏胡蝶」の例については、「おる(愚)」とする説もある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android